Integrationへの長い道のり(4)

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移民局でインテグレーションコースを知り、なんやかんやで異文化交流課に行ってインテグレーションコースの受講許可証のようなものをもらい、ホッホシューレに申し込みに行ったらなんやかんやで4日も待たなければならなかったというところまでお話ししました。なんやかんやが多すぎる。

というわけでここまでかかってまだ申し込めていないインテグレーションコースの続きです。

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インテグレーションコース、クラス分けテストを受ける

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大半がアラビア系、東アジア系はわたし一人

ホッホシューレに申し込みに行ったら受付曜日が違うと言われ、指定の曜日に行ったら担当官が風邪を引いたから翌日に来いと言われ、そして翌日来たら「やっぱり風邪治りませんでした」って言われるんじゃないかと心配しながらホッホシューレに行ったら、無事担当官の人も風邪が治ったようで受付してもらえることになりました。よかった! そして風邪が治ってよかったですな!

しかしこれまで人少なだった受付とは異なり、この日はたくさんの人で溢れかえりました。25~30人くらい。大半はアラビア系の人たちです。南欧系のカップルが一組いるぐらいで、東アジア系はわたし一人。

日本人がいないだろうことは予想してたけど、みごとにぼっちだったので、これが若いころだったら不安だったろうなぁと思いました。いまはもう年を取ってふてぶてしくなったので、ちょっと心細いくらいです。

受付開始する14時より30分前に着いていて、順番は7番目ぐらい(みんな並ばないので正確な順番は分からない)。前日に「テストがある」とだけ聞いていたので、内容は分かりませんがゲーテで習ったドイツ語を復習しながら待っていました。

インテグレーションコースを受けるには3つのパターンがある

14時ちょうどに担当者とおぼしき女性が受付オフィスから出てきました。受付前で待っていた人々たちは、なんとなく「自分の前にこの人がいて、後からこの人が来たかな~?」というぐらいの順番で並んでいきます。我先に行く人はおらず、それなりに秩序がある感じです。

担当者の人が全体に向けて「では受付を始めます。証明書を出しておいてください」とドイツ語で声をかけました。異文化交流課でもらったあの証明書ですな。と、取り出してみたら、周囲の人と様式が違う……。え、これじゃないの?

様式の違いに心配になってきたのですが、すぐに自分の順番が回ってきてしまいました。おそるおそる証明書を提出すると、担当者さんは不審げな顔をするでもなく、うんうんと頷いて「じゃあテストがあるので、**番の部屋の前で待っていてください」と言い、「7番」と書いてるオレンジ色のチケットを渡してくれました。ああ、よかった。あってたんだ、と一安心です。

どうやら「7番」は受付番号、オレンジ色は証明書の種類による区分けのようです。見ていると違う種類の証明書を持っている人は、違う色の受付番号を渡されているようでした。

おそらくですが、インテグレーションコースを受講するための証明書には数種類あるようです。一つはわたしのように異文化交流課で発行してもらうもの。もう一つは、求職者として労働局(ジョブセンター)に登録し、無料かつ交通費が支給される証明書を発行してもらうもの。もしくは、難民としてジョブセンターに登録し、同様に無料かつ交通費が支給される証明書を発行してもらうものという3つのパターンです。

後日、インテグレーションコースに通い始めてから、クライスメイトに聞いたところ、どうもこの3つの流れがあるらしいと分かりました。

わたしも最初の3年は労働が禁止されているビザだったのですが、4年目からドイツでの労働が許可されたので、求職者として労働局に登録してもよいようでした。異文化交流課でも「ドイツですぐに働きたいですか?」と聞かれたので、「はい」と答えていたら労働局を紹介されたのかもしれません。

しかし、そのころわたしはクラウドソーシングを使って仕事を始めていたのでドイツで働くつもりはなく、迷いもなく「いいえ」と答えたため、労働局に関しての情報は提供されなかったようです。

あとから分かってみると納得ですが、当日は「わたし一人だけ書類が違う……!」とかなり心配になりました。分からないことばっかりだと不安になりますよねぇ。

筆記試験は30分、面接は約10分

さて、なんとか受付が済んだので指示された教室へと移動します。テストと言ってもなにをやるんだかさっぱり分かりませんが、まあ受けさせてもらえるならいいかという感じです。

待つこと15分。全員の受付が済んだので、教室へ入るよううながされました。席は適当。横並びでみっちり座っていきます。

ほどなくして先ほどとは違う女性が二人入ってきて、テストの説明を始めました。「いまからクラス分けをするために筆記試験と面接を行います。筆記試験は30分、面接は10分です」とのこと。もちろんドイツ語です。

そりゃそうですね。全員が自己申告で希望するクラスに入るわけにもいきません。ゲーテに入るときもWebテストと面接をしましたが、インテグレーションコースは人によっては無料になる語学コースなので、もうちょっと厳格にテストをするようです。納得。

しかしこんなにみっちり座ってて筆記試験ができるんだろうか。と思っていると、隣の人とは違うテストを配られました。なるほど、ちゃんと考えられてるんですね。

次に「解答用紙に自分が持っているテストの種類を書くように」と言われました。わたしは「A」という問題を持っていたので、解答用紙の右肩に「A」と書き入れます。

すると隣に座っていたヒジャブを被った女性がゼスチャーで「ここになにを書くの?」と尋ねてきます。うーん、そうですよね。ドイツ語が分かる人ばっかりじゃないもんなぁ。

彼女の隣にいる男性はアラビア系ですが話しかけられないのかもしれません。ムスリムの女性の中には知らない男性と話してはいけない人もいます(宗派や家庭によるので一概には言えない)。

幸いそれほど難しいことではなかったので、自分の問題用紙と解答用紙を見せながら「あなたはここに『B』って書くんですよ」と教えてあげました。すぐに分かったようで、「Danke(ありがとう)」と言って彼女が書き込みます。

役に立てたようでよかったよかった。ドイツに来てから、自分の中にある関西のおばちゃん魂を強く実感します。もう関西を離れて10年以上経つのに、確実に関西のおばちゃんになっていきますね。

筆記試験は文法の基礎と長文読解

筆記試験の内容は、いま考えるとDeutsch-Test für Zuwanderer B1が少し簡単になったようなテストでした。基本的な単語が分かるか、定冠詞(Der・Die・Das)の活用が分かるか、長めの文章を読んで空欄に適切な語句を埋められるか、というような問題です。

ドイツに来た当初にこれを受けていたら玉砕だったと思いますが、ゲーテで少し知識を取り戻した後だったので、60問ぐらいあるところを45問くらいまで解答できました。しかし量が多くて残りは解けず。

30分後。「ではペンを置いてください。回収します」と回収が始まるのですが、人間のサガなのか、1問でも多く解こうとギリギリまでペンを持っている人が結構いて面白かったです。

面接は基本的な自己紹介と会話

次に面接です。会場が異なるため、別の部屋の前で待機します。面接の順番が先ほど受付で渡された番号でした。つまりわたしは7番目。しばらく時間がありそうでしたが、廊下の窓枠がベンチ代わりになっているので、腰をかけて待つことにします。

しかし面接はいままでののんびり感にくらべて驚くほどのハイペース。次から次に終わっていきます。意外。面接の方が時間がかかりそうなものなのに。

わたしもほどなくして呼ばれ、部屋に入りました。すると面接官は先ほど試験で監督をしていた女性二人。教室の両端に席をつくり、それぞれで面接を行っています。どうやら二組同時進行のよう。そりゃ早いですね。

呼ばれて着席すると「少し待ってくださいね」と言い、面接官の女性がわたしの筆記試験の答案を採点し始めました。いまここでか!すごい、効率的。選択式の問題で番号を書いているだけなので、あっさりと採点が終了。書いてるところはだいたい合っているけれど3分の1は解けていないので、40点前後ぐらいだったかと思います。

面接官の女性は「Gut(いいですね)」とつぶやくと、会話形式で名前や国籍、生まれたところや話せる言語、最終学歴や専攻などを質問し始めました。まかせてください。ゲーテのクラス分けでもやったのでこれぐらいなら話せますよ!

最後に「どうして日本からドイツへ?」と聞かれ、「夫がドイツで就職したので一緒に来ました」というと、「日本の方が素敵なのに!」と言われます。まあ、日本の方がいいところもあるけど悪いところもありって感じですが、そんなニュアンスのドイツ語は話せない。なので「わたしはドイツも好きです」とだけ言っておきました。ドイツ語難しい。

筆記試験と面接の結果、わたしはB1からスタートすることになりました。ゲーテでA2まで終わっているので順調です。これでA2からもう一回だったらどうしようかと思いましたよ。

ようやく申し込み! あとはインテグレーションコース開始を待つのみ

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クラス分けが決まって、よーーーやくインテグレーションコースの申し込みです。長かった!よくがんばった!

クラス分けの結果を手に受付に戻ると、担当者の女性がわたしに適したスケジュールのコースを選んでくれます。すると「いまからだと8月半ばから始まるコースしかありませんね」とのこと。この時点で7月頭だから1か月半後。まあまあよさそうです。

しかし週5日、朝8時半から12時30分までみっちり4時間、およそ2か月のコース。辛そうだなぁ……。

もうちょっと楽をしたかったので、「通常のホッホシューレのドイツ語コースは受けられないのですか?」と聞いてみたのですが、いま考えるとかなりとんちんかんな質問でした。

通常のドイツ語コースは住民票があれば数か月の短期滞在者でも受けられますが、インテグレーションコースは一定の要件をクリアした人しか受けられない安価なコースなんですよね。

わざわざクラス分けテストまで受けといて、値段の高い通常のドイツ語コースを受けたいなんて意味が分からなかったのでしょう。担当者の女性にも不思議な顔をされながら、あきらめて8月半ばからのインテグレーションコースを受けることにしました。

コース決定後、別の担当者が書類を作成してくれます。書類にはいろいろ書かれていますが、支払金額は「155ユーロ」とのこと。安いな!……と、思ったのは誤解だったのですが、それはまた別の機会に。

なにはともあれ、インテグレーションコースの申し込みは終了です。やったー! あとは初日を待つばかり。

「Integration(同化)への長い道のり」は以上です! 本当に長かった……。これから申し込みをする人には当日の詳細が分かった方がいいかもなと思い、だらだら長く書いてしまいましたので、どこかでもうちょっと簡潔なまとめも作りますね。

次からはインテグレーションコースの様子について書いていきたいと思います。昨今の難民情勢もあり、いろんな意味で興味深く、インテグレーションコースを選んでよかったです。

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