Integrationへの長い道のり(3)

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異文化交流課で「インテグレーションコースを受ける権利がありますよ」という証明書をもらったら、次は語学学校への申し込みです。お察しのとおり、すんなりとは行かないわけで……。

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どちらを選ぶか。フォルクスホッホシューレ(Volkshochschule)とゲーテ・インスティテュート(Goethe Institut)

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証明書はもらいましたが、担当官の人は「ホッホシューレでもゲーテでも、どちらでもあなたの好きな方を選べばいいですよ」と言っていました。

この二つじゃないといけないわけではありませんが、ホッホシューレはインテグレーションコースが開講していることと、以前ベルリンで通ったことがあったのでシステムが分かっていることから候補として考えていました。ゲーテは1月から通って慣れているからいいかなと。

インテグレーションコースが開講している学校自体は10校以上ありますが、これ以上情報が増えても困るので2校のうちから選ぶことにします。

うーん、しかし悩むなぁ。

ゲーテ・インスティテュートのメリット・デメリット

メリット

ゲーテ・インスティテュート(以下「ゲーテ」)の方が少人数制で授業が手厚いんです。1クラスは最大で12人。授業中の発言の機会は断然多くなります。受講者向けのエクスカーションなんかも充実しています。ボンやケルンの市内観光の他、飲み会、バレーボールやサッカーなどのイベントもあります。

主に昼のインテンシブコースに通う学生向けなので、仕事があると参加しにくいスケジュールなのですが、わたしも一度、土曜日に開講された料理教室に参加したことがあります。参加すると宣言した受講者がほとんど来なかったので(ドタキャン?)、参加した4人だけで10人分以上の料理を片づけねばならず、ちょっと印象は悪かったのですが、まあそれは当たり外れがありますからね~。きっと楽しいときもあるはず。

デメリット

難点といえば、受講生の大半が英語が話せるため、公用語が基本英語で、休み時間もドイツ語の練習ができない(ある意味、英語の練習にはなる)。そしてなにより費用が高い。

1月から夫と一緒にゲーテのアーベントコース(夜間コース)に通っていたのですが、一コース590ユーロ。1回3時間で週2回、約3か月。わたしはこれからB1-1とB1-2という二つのコースに通わなければならないので、合計で1180ユーロです。なかなかお高い。

フォルクスホッホシューレのメリット・デメリット

メリット

一方、フォルクスホッホシューレ(以下「ホッホシューレ」)はというと、市が運営する市民大学のような学校なので費用が安い。だいたい週2~3回、約2~3か月で1コースが終わるパターンで約200ユーロ。すでにゲーテの3分の1の値段ですが、インテグレーションコースだと毎日4時間、1か月半みっちり授業を受けて155ユーロ。

難民の人は無料、EU市民だとさらに減額など条件はあるようですが、日本人だとほとんど155ユーロのようです(年々値上げになっています)。2コース受講しても310ユーロ。

また受講者の大半は英語が話せないので、強制的に公用語がドイツ語になり、休み時間にドイツ語の練習ができます。B1を受講するレベルぐらいになると話せる人も増えてくるので期待大です。

デメリット

難点といえば、一クラスの人数が最大25人と多いこと。人数が多くなり多国籍になるので、メンバーの当たりが悪いと授業がかなりカオスな状態になることがあるそうです。

わたしはベルリンにいたころホッホシューレに通っていましたが、毎回メンバーの当たりが良くてとても好印象。しかし他のクラスでは私語が多かったり、人種的なことでからかわれたりということもあったそうなので、本当にメンバー次第というところです。

立地と安さでホッホシューレに決定!

一長一短ですが、ちょうどボンのホッホシューレの改築が終ったことが決め手になりました。以前はバスと電車を乗り継いで20~30分かかるBad Godesbergという街に行かねばならなかったのですが、うちから歩いて行けるようになったのです。

さんざん悩んで「安いし建物キレイだし、ホッホシューレに行こう!」と決定。やっぱりお値段4分の1だとずいぶん違いますよね。またうちは日本人夫婦なので、休み時間にドイツ語が練習できるというのも大きな理由の一つになりました。

さっそくホッホシューレで申し込み……ができない

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さて、ホッホシューレでインテグレーションコースを受けることに決めたので、さっそく受講の申し込みに行くことにしました。

しかしホッホシューレのホームページを見てみても「Integrationkurs(インテグレーションコース)」なんてコースはありません。普通に「Deutsch als Fremdsprache(外国語としてのドイツ語)」に申し込めばいいんだろうか……。そのときに証明書を出せば減額になるのかなぁ……。

と、さっぱり要領が分かりません。が、悩んでいても仕方ないのでホッホシューレに突撃です。ドイツ語ができれば電話でもいいようなのですが(中略)、とにかく直接行くことにします。

やっぱり部屋が見つからない

前回の記事同様、やっぱりオフィスの場所が分からないのですが、ホッホシューレは入り口を入ってすぐのところにインフォメーションがあり、人が常駐しているので聞くことができました。

インフォメーションの人によると「オフィスは2階、階段を上がってまっすぐ行くと左手にある」とのこと。ありがとう、インフォメーションの人。分かりやすい。まあ「オフィスぐらい地図に書いといたらいいのに」とも思いますが、いいでしょう。

2階に上がるとすぐにオフィスが見えました。どうやらいまは部屋の中で受付作業をしている様子(窓越しに見える)。オフィス前のベンチにも1人待っていたので、並んで座って待つことにします。

インテグレーションコースの申し込みは週1回のみ!

それほど待つことなく、30分ほどで順番が回ってきました。オフィスに入って「インテグレーションコースに申し込みをしたいんですけど、どうすればいいでしょうか」と尋ねると、「インテグレーションコースの申し込みは週1回しかやっていませんよ。上の階です」と早口で説明されました。

え?

困惑していると「インテグレーションコース申し込み 木曜日14時から ○○番の部屋で 絶対時間に遅れないこと!!」とドイツ語と英語で書かれた紙を渡されました。さらに「テストがあるから遅れないように」と口頭で付け加えられます。

え?そうなんですか?テスト??

なんだかよく分かりませんが、どうやら受付は2つあり、インテグレーションコース用の受付は上の階にあるということ。そして受付が開かれるのは木曜日のみで、この日は火曜日。つまり、インテグレーションコースの受付はやっていないということです。

おおう……。ということで出直しです。ホームページのどこかに書いといてよ……と思うことしきり。

ちなみにいまはホッホシューレのホームページがリニューアルされ、インテグレーションコースも検索できるようになりましたが、やっぱり受付についての情報はありません。なんでやねん。

週1回の受付が休みになる

ぐちぐち言ってもどうにもならない。それがドイツ。

さすがにトータル4年も住むと分かってくるので、大人しく木曜日14時に出直しました。一般受付よりも1つ上の階にあるオフィスがインテグレーションコースの受付です。14時より15分ほど早く着くと、ベンチには男性が一人座っているだけ。これならすぐに受付の順番も回ってきそうです。

まあ、あんまりインテグレーションコースなんて対象者はいないのかなぁ。と、安心しきってぶらぶらしていると、後からアラブ系の家族連れの人がやってきました。お、きっとお仲間ですな。

するとベンチに座っていた男性が立ち上がり、「インテグレーションコースの受付に来たのですか?」とドイツ語で声をかけました。家族連れの人が「はい」と答えると、「今日は担当官が風邪を引いたので受付は休みです」と説明しています。

思わず「え!?」と声が出ました。いや、出ますよね。

男性もびっくり顔で「あ、あなたも申し込みですか」とわたしに聞きます。ぶらぶらしているふてぶてしさがダメなのか、アジア人だから対象外だと思われたのか。なぜ申込者だと思われなかったのかはよく分かりませんが、「はい」と答えると彼は同じ説明を繰り返し、「明日の14時にまた来てください」と言うのです。

うむ、まあよかろう。風邪は仕方ない。誰でも引きます。でも「また明日」って。本当に明日治るの??

明日14時に来たら「風邪が治らないので延期です」とか言われそうな気もしましたが、ぐちぐち言ってもどうにもならない。そう、それがドイツ(2回目)。

ともかく、また明日出直すことにしました。勝手に受付待ちだと思っていた男性は、結局ホッホシューレの職員さんだったようです。とても親切そうな人で、去り際に笑顔で「Tschüss!(チュース)」と手を振ってくれました。

ああ。愛想がいい人には会えるけど、どうして受け付けまでにこんなに時間がかかるのか。なんだかツイていないような気がしてきますね……。

こんなことで大丈夫だろうかと思いつつ、翌日出直し受け付けについてはまた次回。

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