ドイツでは参加者が料理やケーキを持ち寄るパーティがよく行われます。なにを作るのか悩むところですが、やはり日本人にはお寿司が期待されるのが現実。そこでズボラなわたしでも簡単に作れたお寿司をご紹介します。
凝ったお寿司は意外と不人気
「せっかく海外でふるまうんだから、綺麗で素敵なお寿司を食べてもらいたい!」と思うかもしれません。しかしこの作戦は、日本をよく知っている外国人には喜ばれますが、あまり日本を知らない外国人には意外と不人気。
というよりも、変わった形にするとお寿司だと分からないようなんですね。以前、薄焼き卵の押し寿司を作り、上に絹さやエンドウまで乗せたのに(普段なら絶対しない)、「これは……ケーキ?」と怪訝な顔をされました。それも結構たくさんの人に。
うーん、見た目は綺麗だと思うんだけどなぁ。
他にも手まり寿司や握り寿司、手巻き寿司も作りましたが、順に「ケーキ?」「生魚は苦手」「包み方が分からない」等の理由で、食べない人が多くなってしまいました。幸い寿司好きの人が完食してくれましたが。しかし、どうして分からない食べ物はケーキだと思うのか。
慣れたお寿司が一番!ベタ・イズ・ベスト
結局のところ、万人受けするのは海外のスーパーなどでも売っているお寿司。特にサーモンと野菜を使った巻き寿司が人気だと分かってきました。オーソドックスで分かりやすい方が手に取りやすいんでしょうね。
日本食のグローバル展開でも、現地でなじみのない物はなかなか手に取ってもらえず苦労すると聞きます。新商品展開なら受けなくてもがんばる必要がありますが、職場やホームパーティぐらいならベタを目指すのが無難でしょう。ベタ・イズ・ベスト。
ベタ人気!サーモンの巻き寿司と卵のサラダ巻き
前置きが長くなりましたが作り方を見ていきましょう。具はサーモンと卵がベタ人気です。ムスリムの人も食べられるので安心。
具以外は同じ工程なのでざっくりまとめてご説明します。用意するものは以下のとおり。
- ご飯:4合
- 寿司酢:大さじ8杯(米2合に大さじ4杯)
- スモークサーモン:6~8枚(2パックぐらい)
- アボカド:2個
- 卵焼き:卵3個分
- サラダ:適量
これで10~12本作れます。
酢飯を作る
酢飯は冷ます必要があるので先に作ります。
ご飯は少し固めに
ご飯はいつもより少し固め。普通は米:水が1:1.2の割合ですが、1:1.1ぐらいで炊きます。
寿司酢はお好みで
すでに合わせてある寿司酢を使っても構いませんが、米酢からでも簡単に作れます。米酢がなくてりんご酢や白バスサミコ酢を使っている場合は、砂糖を減らして甘みを調節してもどうにかなります。
配分は老舗ミツカン酢のレシピを使ってます。美味しいです。上級編をご参照ください。
スモークサーモンをマリネする
スモークサーモンが塩辛い場合は、りんご酢でマリネするとマイルドになります。日本の米酢は高いので、普段はりんご酢か白バルサミコ酢を使ってます。米酢なら寿司酢を多めに作って使うといいかもしれません。
アボカドは品選びが重要
アボカドは皮が茶色に変色して、上下のヘタを取れば手で皮が剥けるくらい熟しているのがベスト。握るとやや柔らかいくらいです。ドイツに売っているアボカドは熟していないことが多いので、2日ぐらい前に買って家で追熟します。
あとは細長く切ればOK。どうせ巻いちゃうから適当で大丈夫。
時間が経ってから食べるなら、マヨネーズで和えておくと色止めができて下味もつけられるので便利です。
卵焼きには片栗粉またはタピオカ粉を混ぜると簡単
卵焼きは厚焼き卵の要領で焼いて、細長く切って使います。厚めに焼くのが難しい場合は、片栗粉やタピオカ粉を少量の水で溶いてから混ぜると簡単に焼けます。
厚焼き卵を焼いたことがない、もしくは卵焼き器がない場合は、フライパンで焼けば大丈夫。要は適度にまとまって巻ける程度になればいいんです。そぼろまでいくと切ったときにぼろぼろ落ちるので、あんまり細かくならないようにしましょう。
ドイツでは日本風の片栗粉が手に入りにくいので、うちはアジアンショップでタピオカ粉(菱粉)を買ってます。中華っぽく滑らかに仕上がるのでいいです。
味付けはお好みで。わたしは関西風で少量の白だしを入れてます。
サラダはカット野菜で
サラダはレタスやサラダ菜(ドイツだとKopfsalatがオススメ)でもいいのですが、洗うのが面倒なのでカット野菜を使ってます。手を抜くところは全力で抜きます。
海苔で巻く
酢飯と具が常温まで冷めたら海苔で巻いていきます。凝りだすといろいろ難しいけど、素人だから形になればいいんです。酢飯の分量は多からず少なからずがオススメ。
わたしが思うベストの分量はこれぐらいです。
海苔がすけて見えるほどではないけど、分厚過ぎないぐらい。これだと素人でも巻きやすく、外国人でも食べやすくて満足できるボリュームだと思います。
巻き簾があればいいけど、なければ海苔と同じくらいの大きさのハンドタオルでも巻けます。
具はサーモン+アボカド、卵+マヨネーズ+サラダがベタです。でも具が余ったら適当に組み合わせてもだいたい美味しくなります。酢飯って偉大ですね。
巻いた寿司を切る
巻いたお寿司を切っていきます。わたしは8等分にして、端っこは自分用にしてます。
切るときには、濡らしたキッチンペーパーでまめに包丁を拭きましょう。面倒だけどこれは省けません。省くとぐっちゃぐちゃになります(経験済み)。
出来上がり
出来上がりはこんな感じです。夫が職場に持っていく用なのでタッパーに入ってます。見た目の美しさは勘弁してください(センスがないので)。ドイツ人のいいところは、料理の外見にあまりこだわらないところだと思います。おおらかでいい。
タッパーに入れるときは、まず下にラップを敷いてからお寿司を敷き詰めていき、二段重ねにするときは一段目の上にもラップを敷きます。最後にラップで蓋をして終了。
ラップがないとカッピカピになるので要注意です。
ドイツのラップは切りにくいのですが、無印良品のラップケースだとめちゃくちゃよく切れます。便利!
まとめ
文章は長いのですが工程自体は多くありません。酢飯や具材を冷ます時間を含めても1時間くらいで出来上がります。慣れれば手順を見ずにできるぐらい簡単なので、機会があればぜひお試しください。