最近では海外からも電子書籍サイトを利用して日本語の本を購入できるようになりました。わたしがドイツに来た2013年にはまだ電子書籍サイトも少なかったのですが、いまではどこを選べばいいか悩むほどに。嬉しい悩みですね。
ここ数年でいろいろ電子書籍サイトを試してみたので、ドイツから利用した電子書籍サイトについて比較してみたいと思います(※2017年1月27日現在)。
洋書の「Kindle」、ポイントの「楽天Kobo」、セールの「ebookjapan」
わたしがいま利用しているのは「Kindle」、「楽天Kobo」、「ebookjapan」の3つです。それぞれ魅力があるので時と場合で使い分けています。
品揃えということで言うならば、電子書籍サイト2強は「Kindle」と「eBookJapan」です。両者とも50万冊以上の品揃えで、他社が30万冊程度のところ群を抜いています。Kindleサイトは500万冊に近い洋書もダウンロード可能。
楽天Koboはポイント還元セールが多く、また付与されたポイントが楽天市場で使えるのが嬉しい。
Amazonが提供する電子書籍サイト「Kindle」
「Kindle」のメリット
Amazonが提供する電子書籍サイト「Kindle」は日本語書籍50万冊、洋書約500万冊という圧倒的な品ぞろえが魅力です。買い物で使うAmazonアカウント(※)が利用できるのも、会員登録などの手間が省けて便利。
また月額980円の「Kindle Unlimited」を利用すれば、対象書籍が読み放題になります。いくつかの出版社が突然契約を解除されるなどの騒動もありましたが、昔のベストセラーやビジネス書がかなり充実しているので興味がある分野をざっと読み比べたり、気になっていたベストセラーを読むにはとってもいいです。ちなみにいまはハリーポッターシリーズが読み放題になってますよ!わーお!いつの間に!?
読み放題対象外の書籍を購入した場合でも、書籍ごとのパーセンテージに応じて買い物にも利用できるAmazonポイントがもらえます。
オリジナル端末の「Kindle」もありますが、iOSやandroidで利用できるKindleアプリでも利用できるので、端末にしばられないのもいいですね。
電子書籍リーダー「Kindle」の利点は、KindleサイトをWeb上で経由しなくても、端末上で書籍を購入できるところです。わたしではなく実家の母が利用しているのですが、便利そうでとても羨ましい。
メリットをまとめておきましょう。
- 品揃えが豊富:日本語書籍50万冊、洋書約500万冊
- Amazonアカウント(※)があれば会員登録不要
- 月額980円読み放題サービス「Kindle Unlimited」
- 書籍購入時にAmazonポイント付与
- Kindleアプリを使えばいろんな端末から利用可能
- Kindle Paperwhiteなら端末上から購入可能
※ amazon.co.jpで登録したアカウント。
海外からのAmazonアカウントの利用についてはこちらに詳しくまとめました。
Kindleアプリは無料。語学学習にも使えますよ!
「Kindle」のデメリット
Amazonアカウントは基本日本国内からの利用を前提としているので、海外から購入する場合、冊数が制限される場合があります。いろいろ手立てはあるのですが、慣れていないと分かりにくいかも。
海外からのAmazonアカウントの利用についてはこちらに詳しくまとめました。
他に、Kindleのデメリットというほどでもないのですが、ややセールが弱いんですよね。Kindleには日替わりセールがあり、値段が半額あるいは99円ぐらいになることがあるんですけど、どうも興味がそそられないというかなんというか。セール内容はツイッターやメルマガでお知らせされると言うのですが、あまり細やかではないんです。わたしはebookjapanのメルマガで各出版社のセールをチェックして、Kindleを見に行くってことが多いです。
1/29の #Kindle 日替わり #セール は、中澤 知寛『ハーバード・ビジネス・スクールの投資の授業』599円(65%OFF) https://t.co/09opB0WZtW
— AmazonJPKindle(アマゾン) (@AmazonJPKindle) 2017年1月28日
また読み放題サービスのKindle Unlimitedは過去に発売された一部の書籍に限られていて、最新の書籍を読みたい人には向かないんですよね。話題の本を買いたいという人は、読み放題サービスとは別に購入しなきゃいけないので、月額980円の元が取れるかどうか微妙な気がします。150万冊が対象となっていますが、うち日本語書籍は14万冊です。その14万冊も読み放題対象から突然外される可能性がありますしね~。しかしそれでも昔のベストセラーやビジネス書を読みたいっていう人にはかなりお得。
いまなら30日間の無料体験がありますが、30日経過後は自動的に月額料金が引き落とされるのでご注意を。【追記】以前はお試し期間終了後、自動的に月額料金が引き落とされていたのですが、いまはアカウント設定から「自動更新しない」が設定できるようになりました。とりあえず試してみたいって人は「自動更新しない」設定をお忘れなく!
デメリットをまとめるとこんな感じ。
- 海外だと購入制限(5冊)の可能性あり(※)
- セールが弱い(というかお知らせが来ない)
- 読み放題サービスは一部の書籍(14万冊)が対象
- 読み放題サービスに新刊は含まれない
- 読み放題サービス対象タイトルが突然解除される可能性あり
※回避方法はこちらを参照。
とはいえ、Kindle洋書の品揃えは魅力的ですし、語学学習にも役立つので、アカウントがなければ登録しておいて損はないと思います。アカウント登録は無料ですしね。
楽天ポイントが貯まる「楽天Kobo」
「楽天Kobo」のメリット
楽天が提供する電子書籍サイトが「楽天Kobo」です。Kindleと同様、楽天アカウントを使えば会員登録なしで購入できるのは楽チン。ポイントも楽天ポイントで貯められるため、本を買ったポイントで他の物を買うことができます。いいね。ポイント還元セールが頻繁に行われ、他の商品に比べて還元率が高いため(20パーセントもよくある)、結構ポイントが貯まります。もちろん楽天ポイントで電子書籍も買えますよ!
オリジナル端末「Kobo」ならば、端末上から直接購入できるのでパソコンは必要ありません。ただすごく使い勝手がいいというわけではないようなので、すでにタブレットを持っているならばKoboアプリを利用する方がいいかも。
メリットをまとめておきましょう。
- 楽天アカウントがあれば会員登録不要
- 書籍購入時に楽天ポイント付与
- ポイント還元セールが頻繁にある
- 楽天ポイントで電子書籍が買える
- オリジナル端末「Kobo」なら端末上から購入可能
- Koboアプリを使えばいろんな端末から利用可能
「楽天Kobo」のデメリット
デメリットというか、わたしは以前、楽天Koboを利用できなかったんですよね。理由は推測でしかないのですが、おそらくドイツから買い物をしていたからかと……。しかも以前は接続IPによって見ることができる楽天Koboサイトが異なっていて、ドイツからだとドイツの楽天Koboサイトに接続していたのでその影響もあるのかも? いまは日本語ブラウザなら日本の楽天Koboサイトに接続できるようになりました。よかったよかった。
同じドイツ在住の方でも楽天Koboで買っているという人もいたので、アカウントを新しく作りなおしたら購入できるようになりました。情報ありがたい(-人-)
ただ楽天Koboはアプリを使って読んでいるのですが、これが微妙に使いづらいんですよ。特にダウンロードしながら読めないのはかなり不満です。すぐ読みたいのに;;。ダウンロードした書籍がどれなのかもわかりにくいんですよね。アプリの操作性ならebookjapanが上だなと。
品揃えはおそらくKindleやebookjapanよりも少ないはず。カテゴリごとに数字が出ているから足し上げようかとも思ったのですが、カテゴリの重複があるみたいので止めました。
デメリットをまとめておきます。
- まれに楽天アカウントが使えないことがある
- アプリが使いづらい
- やや品揃えが少ない
国内最大級の品揃え「ebookjapan」
電子書籍専門サイト「eBookJapan」は国内最大級の品揃えで、50万冊以上の書籍が登録されています。海外在住でなによりありがたいのは海外で発行されたクレジットカードが使える点です。海外のクレジットカードが使えないサイトの方が多いんですよね。
書籍を購入した場合は通常1パーセントのポイントが付与されますが、セール時には5~20パーセント付与されることもあります。時々、50パーセント還元というスーパーセールも(過去記事参照)。半額がポイントで戻ってくる感じです。ポイントは1ポイント=1円相当として利用できます。
eBookJapanは電子書籍専門サイトということで、出版社やテーマ別のセールを頻繁に行っています。大幅割引やポイント還元など、お得感が強いのでわたしはeBookJapanをメインに使っています。しかしそれほど頻繁に本を買わない人は、eBookJapanでしか使えないポイントを貯めるより、Amazonポイントが貯められるKindleや楽天ポイントが貯められる楽天Koboの方がいいかも。
しかしKindleユーザや楽天koboユーザーでもeBookJapanのメルマガは登録する価値あり! なぜなら一番セールの情報が細やかで、出版社が行うセールはeBookJapanだけでなく、Kindleや楽天koboでも同時に行われることが多いからです。Kindleと楽天koboはTwitterやメルマガでの情報発信がいまいちなんですよね……。またメルマガ登録者限定のセールなどもあり。もちろん会員登録、メルマガ登録ともに無料なので、本好きなら登録しておいて損はありません!
独自端末はありませんが、iOS・android両方に対応したアプリがあり、ほとんどの端末で利用できます。残念ながら、アプリから直接書籍を購入することはできません。これができれば言うことないのに。
昨年、Yahoo!JAPANの子会社化し、将来的にはYahoo!IDでログインしなければならなくなるようです。いまのところ、Yahoo!IDを持っていてもeBookJapanの会員登録は別途必要なのでちょっと面倒。いまはまだeBookJapanのIDだけでもログインできます(2018年1月現在)。メリットとしてはYahoo!IDでログインして購入すると通常よりポイントが上乗せになるセールが行われることですかね。昨年はYahoo!IDでログインして一冊以上購入すると抽選で松坂牛が当たるなんてキャンペーンがありました。なんで松坂牛!?
では「eBookJapan」のメリット・デメリットをまとめておきましょう。
「ebookjapan」のメリット
- 品揃えが豊富:50万冊(特に昔のコミックスが充実)
- 海外発行のクレジットカードが利用可能
- セールが頻繁に行われる
- 大幅な割引セール、ポイント還元セールがある
- メルマガでの情報発信が細やか。セール情報を見落としにくい
- iOS・android両方に対応したアプリがある
- 提携企業先サイト経由でポイントを貯めることができる
- Yahoo!IDとの連携で通常ポイントが上乗せされる
「ebookjapan」のデメリット
- 読み放題サービスはない
- 通常のポイント還元率は低い(1パーセント)
- ポイントはeBookJapan内でしか利用できない
- アプリ内からの書籍購入はできない
本好きで、かなり本を買うという人にはオススメの電子書籍サイトです。特に昔のコミックが充実しているので、わたしはセールにつられてまんまと全巻大人買いをしてしまっています。一番巻数が多かったのは「三国志」60巻です。半額セールで9000円だったからつい……!もう、eBookJapan、恐ろしい子!
「海外から利用できる」サイト
その他、公式に「海外から利用できる」としているサイトをご紹介します。
本屋の雰囲気を再現「紀伊国屋書店ウェブストア」
品揃えはぐっと少なくなってしまいますが、紀伊国屋書店ウェブストアには海外会員用ページがあります。登録数は2万5千冊以上(2016年2月時点)。
国内会員と比べてポイントが貯められないなどデメリットもありますが、許諾を取った書籍・雑誌しか取り扱っていないため、安心して利用することができます。
また書籍数が限られていることで、テーマやスタッフによる紹介などが充実していて、本屋さんっぽい雰囲気が味わえます。よく本屋さんに行くと、オススメのコーナーが平積みで作ってありますよね。あんな感じ。品揃えが多くなりすぎると、こういう雰囲気がないんですよね。
主に実用書や読み物、雑誌を中心に利用する人は使い勝手がいいでしょう。
ちなみにアプリを使えば、無料で総務省発行「情報通信白書」を読むこともできます。
Yahoo!が運営する「Yahoo!ブックストア」
Yahoo!ブックストアも海外から利用できます。またYahoo!ウォレットに登録できるなら海外発行クレジットカードも使えます。一部の国では登録できないそうです。
Yahoo!ウォレットに必ず登録しなければいけないのが少し面倒なのと、品揃えが主にコミックスというところがやや難点かなと思いますが、元々Yahoo!をよく使っていた人は新しく設定することも少ないので、簡単に利用できるのは大きなメリットです。
iOS・android両方で利用できる専用アプリから直接無料お試し本をダウンロードできるので、いろんなコミックスを読んでみたいという人にはいいですね。購入はサイトからで、アプリから購入できません。
ちなみにYahoo!プレミアム会員だと月額462円(税抜)で「ちはやふる」など少女コミックの最新話などが読める「女子コミ!」や話題作を限定配信する「タダヨミ!」などが読み放題になるので、ヘビーユーザーなら入会するとお得かも。
アプリについてはこちらでも紹介しています。
電子書籍のレンタルサイト「Renta!」
「Renta!」は電子書籍の販売ではなく、レンタルができるサイトです。チケットを購入して、「48時間」「無期限」など期間を指定してレンタルします。でも「無期限」ってレンタルなんだろうか。
安ければ1チケット(100円)でレンタル可能。品揃えはコミックス中心です。海外発行のクレジットカードが使えるので、少しだけ読みたいというときにはいいかもしれません。
「海外から利用できない」と書いているけど、利用できるサイト
公式のQ&Aでは「海外から利用できない」と回答しているけど、利用できちゃうサイトがあります。honto、BookLive!、iBooksなど。おそらく海外発行のクレジットカードは使えないと思います。「利用できない」と書いてあるサイトは、ある日突然使えなくなる可能性があるので、メインにするのはためらわれますが、それぞれいいところもあるので簡単に特徴をあげておきます。
※ちなみにKindlleも日本国内の利用を前提としていますが、海外旅行など一時的な場合は利用できるようになっています。ややこしいがありがたい。詳しくはこちら。
大日本印刷系列会社が運営「honto」
hontoは大手印刷会社、大日本印刷系の会社が運営しています。同じサイトで電子書籍だけでなく紙の書籍も扱っているのが特徴的。会員登録には日本の住所が必要ですが、紙の書籍の海外発送も行ってくれます。面白いですね。
ポイント50倍セールなどが頻繁に行われています。丸善やジュンク堂など、日本の書店でも使えるhontoポイントが貯められるので、一時帰国して紙の書籍を買うことが多いならばお得。特に専門書をよく読んだり買ったりする人にはオススメです。
凸版印刷グループの電子書店「BookLive!」
BookLive!も大手印刷会社、凸版印刷グループが運営しています。紙の書籍は扱っていません。
eBookJapanと同じく、出版社やテーマに沿ったセールを頻繁に行っています。ポイント還元率はほどほどですが、ポイントはTポイントで貯められます。
逆に言うと、Tポイントカードに登録していないと登録ができません。ほとんど日本に帰らない人だとあまり使う機会はないかもしれませんね。
iOSでしか利用できないAppleの「iBooks」
Appleの日本アカウントを持っていれば「iBooks」で書籍を購入することができます。出版社だけでなく個人でも書籍を掲載できる自由度が高いiBooksなので、他の電子書籍サイトでは見られないような本が販売されています。
しかしAppleの日本アカウントは基本的には日本国内でだけ利用することが原則です。ま、どんなものも基本は日本国内での利用が原則なんですけどね。
それよりもなによりも、iBooksの難点はiOSでしか利用できないことです。androidユーザーには利用できません。わたしはいまiPhone+iPadユーザーですが、一時期android端末も利用したので、メインをiBooksにしていなくてよかったと思います。特に海外を転々とする人は意図せず端末を変えることもあるので、いろんな端末で利用できるサイトを利用する方がいいでしょう。
むしろAppleでは電子書籍アプリや辞書アプリなどを利用する方がコスパがいい気がします。ポイントも貯められませんしね。
まとめ
以上、わたしが試してみた電子書籍サイトについてまとめてみました。個人の体験に基づく情報なので、過不足等ご容赦ください。他に「こんなサイトが便利」とか「ここは使えなかった」など、情報があればお教えいただけると嬉しいです^^