ドイツで水漏れ、そして工事へ(1)

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1月のある日のこと。
いつも通り、朝の身支度をしているとなんだか部屋が暗いことに気づきました。「窓は開いてるはずなのにどうしてだ?」と暗く見えたあたりに目を凝らすと、部屋が暗いのではなく、壁が濡れて色が変わっているせいで暗く見えるのだと分かりました。

そう、水漏れです。

ドイツでは100年以上経過した建物を「Altebau(アルテバウ)」それより新しい建物を「Neubau(ノイバウ)」と言うのですが、賃貸住宅ではクラッシックなアルテバウが人気。我が家も100年以上経過しているアルテバウです。

防音にやや難はありますが、下の階の人のバイオリンやピアノの音がよく響くので、いいBGMだとポジティブにとらえていました。しかしここに来ての水漏れ……。そりゃありますよね。100年ですもんね。

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これが実際の写真。水漏れは寝室の角に少しだけですが、濡れて壁紙がたわんでいます。大家さんに写真つきでメールすると「すぐに調べて修理する」とのこと。素晴らしい。以前住んでいたベルリンでも暖房器具(ハイツング)が壊れて水が噴き出たことがあったのですが、そのときは大家さんが同じアパートメントに住んでいたにもかかわず、結局退去の日まで半年以上修理されませんでした。

今度の大家さんはいい大家さんだ。その認識はいまでも変わらないのですが、やはりそこは外国。共通認識の違いでいろいろ驚くことがあったので経緯をまとめておきたいと思います。

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下見はいつも突然に

Ranya / Pixabay

しばらくして大家さんからメールがありました。「調べてみたら上階のシャワーの排水が壊れて水が漏れている」とのこと。数日様子を見ているうちにそうなんじゃないかと思っていたので、まあ予想どおり。むしろ雨漏りだったりしたら、うちや上階だけでなく屋根からの修理になり、しばらく退去しないといけないのではと不安に思っていたので、シャワーの排水が壊れたぐらいでなによりです。

「ついては保険で修理しようと思う。今度保険会社の担当者と一緒に下見に行きたい」とも書いてあります。大家さん、仕事が早い。さっそく夫から「分かりました。また来る前に連絡ください」と返信しました。

そして数日後の土曜日。
共通玄関のチャイムが鳴っています。しかし時間は9時。前日お酒を飲んでいたこともあり、夫も私もまだベッドにいました。我が家は3階。共通玄関を開けるためには階段を降りて行かなけれななりません。ベルリンの家は自室から共通玄関を開けられたのですが、いかんせんアルテバウ。そういったシステムがないのです。また近所にいくつか学校があり、子どもがいたずらで押していくことも多く、心当たりがない日にはチャイムを無視するクセがついていました。大家さんからはまだ連絡がありません。

よし、無視しよう。

ほぼ3秒で決めて無視したのですが、しばらく経った後、今度は自室の扉を直接ノックする音が聞こえます。「あれ、もしかして大家さん?」。大家さんは共通玄関の鍵を持っているので、応答がなかったけれど様子を見に上がってきたのかも。そう思い、寝室からリビングに行こうとすると「ガチャ」っと自室の扉の開く音がしました。

たしかに扉に鍵をかけていなかったのが悪いのかもしれません。しかしなぜ開ける!? トイレに入ってたりしたらどうするんや!?

扉の向こうには爽やかに「Guten Morgen!」という保険会社の人と、気まずそうな顔をする大家さんが立っていました。そうですよね。大家さんはいきなりドアを開けるタイプじゃないもんね。

雨の日でも土足で入るよ!

LJ- / Pixabay

保険会社の人はなんの悪気もなかったようで、挨拶もそこそこに「じゃあ、水漏れの現場を見たいんだけどいいかな?」と土足で入ってこようとします。折りしもその日ははどしゃぶり。靴はびしょ濡れ。ドイツは土足文化とは知ってはいるけれど、さすがに勘弁してほしい。

控えめに「靴を脱いでもらえますか?」とお願いしてみましたが、案の定、「いやいや、現場に入るのに足を守らないといけないから、靴は脱げない」とかなんだかよく分からない理由をつけて、靴は脱いではもらえませんでした。ただの下見にどんな危険があるというのか……。紐のブーツだから面倒なだけだろうよ。お前、さては「ああ言えばこう言う」タイプのドイツ人だな!

まあ、どういっても無駄なので諦めて入ってもらいました。水漏れ現場である寝室に入った後も、ずかずかとあちこち踏み荒らされ、正直水漏れよりも土足が気になって仕方ない。胃がキリキリしながら見守りましたが、これも修繕がすむまでの話。我慢です。

工事に入る前には大家さんから詳細をメールしてもらうということで、その日は引き上げていきました。

業者その2があらわれた!

大家さんからは連絡がないまま1週間が過ぎ、夫はなにを食べたのか、謎のアレルギーにより熱とじんましんが出て寝込んでいました。

そこへ、チャイムの音が……。

また大家さんの突撃訪問か! どうして電話なりメールなりしてくれないのか。考えても仕方ありません。いつだって大家さんは突然なのです。

とりあえず寝込んでいる夫の周りだけを整理してリビングに向かうと、またもやドアをガチャ開けです。どうしてドアを開けるのか! そしてどうしてドアに鍵をかけておかなかったのか、私!

しかし今度は前回の保険会社の人とは違う男性が立っています。え、いきなり修理に来たの!? おいおい、うちの夫は寝込んでるんだよ!

これをマイルドに伝えたところ、「いや、違う」と大家さんが言います。前回の保険会社さんは大家さんが希望するよりも大掛かりな工事を進言したそうで、とりあえず修繕だけしてほしいと考えている大家さんと折り合いがつかず、今回違う業者さんを連れてきたとのこと。

ドイツの保険システムがどうなってるのか分かりませんが、おそらく保険会社が見積もりを出すか、被保険者が業者に頼んで見積もりを提出するかの2つのパターンがあるのでしょう。

ということで、下見再びです。もちろん土足……。

正直なところ、すでにそのときには上階からの水漏れが直っていたので、うちとしては壁紙がべこべこしているぐらいどうってことなく、むしろ土足で歩き回られるのがすごく気になる!

気が気でない下見もようやく終了……。
夫が病気ということもあり、工事は夫の病気が治った後にということになりました。そしてこれからまだまだ「マジか!」と思うことが続くのです。

>>ドイツで水漏れ、そして工事へ(2)
>>ドイツで水漏れ、そして工事へ(3)
>>ドイツで水漏れ、そして工事へ(4)
>>ドイツで水漏れ、そして工事へ(まとめ)

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