さて水漏れがあったのは1月。この記事を書いているのが5月末。まだ工事は終わっていません。この間なにがあったのかというと、なにもありませんでした。今回はその経緯を書いてみたいと思います。
意思疎通に失敗してタイムロス
前回、別の業者さんが下見をしたという話を書きました。しかし夫が病気にかかっていたので、工事の日取りは後日決めるということに。
これまで大家さんとの会話は英語だったのですが、大家さんもあまり英語が得意ではないということと、私たちがドイツ語学校に通い始めたということもあり、その日の会話はほとんどドイツ語。
しかし、正直よく分からない。
大家さんの奥さんの言ってることは分かるけど、大家さんや業者さんの言うことは分からないんですよね。すると大家さんの奥さんがそっと私に聞いてきました。
「彼らの話している内容分かる?」
あんまり分かりませんと答えると、「そうでしょうね。男の人はスラングで話すことが多いから分かりにくいでしょう」と言います。ああ、なるほど。たしかに関西のおっちゃんたちも「どないや」「せやな」「ほなな」とか言ってますけど、あれ外国人の人には分かりにくいでしょうね。一生懸命聞いても分からないんだ!と思うと諦めがつき、聞き取れなくてもずいぶん気楽です。
完璧には分からないものの、拾い聞きした情報がこんな感じ。
- 上階の工事は終了した。期間は2週間
- 我が家の修理には3日程度時間がかかる
- 工事の日程は業者さんと私とで後日電話をして決める
まあこれだけ分かれば十分です。業者さんと電話番号を交換し、電話がかかってくるのを待っていました。電話は苦手だけど、かかってきた電話に応えるぐらいなら、なんとかなるかもならないかも。しばらくは携帯を肌身離さず、緊張しながら電話がかかってくることを待ちました。
しかし、待てど暮らせど電話がかかって来ない。
たしかに、業者さんから電話がかかってくるものと思い込んでいましたが、しっかり確認したわけではありません。もしかしたら私の聞き間違いで、こちらから電話をかけるという話になっているのかも。不安に思い、夫から大家さんにメールで確認してもらうと(メールは英語)、返信がきました。要約すると「夫の病気が治って都合がよくなれば、その旨を業者さんに電話で伝えなければならない」ということでした。やはり理解が間違っていたようです。全然大丈夫じゃなかった。
そうか……、こっちから電話か……。
なんとなく電話かけてきてくれるんじゃないかなぁ~と、甘い気持ちだったのでツライ。わたしは英語で電話をするのも苦手ですが、ドイツ語はもちろん苦手。さらに苦手な男性のドイツ語なので気分的にとてもハードルが高い。
とは言え、グチグチ言ってても壁は直りません。がんばって電話をかけることにしました。ここで2週間のタイムロス。時はすでに2月に入っていました。
業者さん、膝治療の旅に出る
メールがあった翌日、緊張でキリキリする胃を押さえつつ、業者さんに電話をすることにしました。やだなぁ。
数度のコールの後、業者さんが名前を名乗りました。勢いをつけて話始めようとすると、今度は女性の声で「あなたの通話相手は現在電話に出ることができません。ピッという音の後にメッセージをどうぞ」。
留守電か……(がっくり)。
留守電は想定外。けれど業者さんに話すための原稿を用意していたので、あっぷあっぷしながらそれを読み上げます。
「私は○○に住んでいるタロウというものです。修繕工事の日程を決めたい。ついては折り返し電話をもらいたい。ありがとう、では」
ドイツ語で電話をするときに困るのが「よろしく」に相当する言葉がないことなんですよね。もうちょっと気のきいたことを言いたいのですが、どうにもこうにも。
まあ、ぶっきらぼうな留守電ではあるけれども、どうにかメッセージは残しました。2日待って折り返しの電話がなければ、もう一度かけてみよう。しかし、そうやってのんびりしてるとすぐかかってきたりするわけです。昼に留守電を残し、夕方には折り返しの電話がかかってきました。が、なかなか意思疎通がはかれない。
「○○に住んでいるタロウと言いますが、修繕工事の日程を決めたい」と言ってみても、なんだか心当たりがない様子。「先日、大家さんと一緒に来られたと思うんですけど」とがんばって伝えてみると、なんだかものすごい早口で話し始めました。うん、さっぱり分からない。
「すみません、分かりません」というと、「分かった。大家さんに電話するから」と言われ、その日の電話は終了。ようやく病院の予約が電話でできるようになったのに、今回は予定を決めることもできず、話もさっぱり分からなかったので、かなり自信喪失です。はぁ。
しょんぼりしながら夫に報告していると、大家さんからのメールが届きました。「業者さんから電話があった。彼は以前から膝が悪く、いまは治療のためボンを離れているらしい。4月には戻るそうだ」
この2週間でなにがあったんや、業者さん!!
わずか2週間の間に結構状況は変わっていたようです。なんでや!? なんで変わるんや!? 下見に来たときには、もう治療に行くこと分かってたやろ!? 分からん。ドイツ人はいつまで経っても分からん。
「どう? 他の業者さんにお願いすることもできるけれど」
と大家さんが言いますが、早く修繕してもらうことよりも、これ以上土足で下見されたくない!という気持ちが強く、業者さんの帰りを待つことにしました。
そう返信すると大家さんは大喜び。「彼はとても腕のいい業者さんだよ。ありがとう。君たちは親切だ!」。ああ、なるほど昔から知ってる人だったんですね。そりゃ、断りにくいでしょう。
まあ、なぜ業者さんは膝治療の旅に出てしまったのかなどさっぱり分かりませんが、壁の修繕は4月まで持ち越されることになりました。
そして、業者さんから連絡が来たのは5月下旬……。
ま、そんなもんですよ(フッ
夫の仕事を見ていても、スケジュール通りに物事が進む方が珍しいので、ドイツペースにもだいぶ慣れてきました。むしろ、スケジュールを厳守しようとするなんて日本人ぐらいなのかもしれない、という気持ちになってきました。
そしてスケジュール通りに進まないのはこれだけではないのです……(現在進行形)。ということで、工事の様子については次回の記事に書きたいと思います。
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