Deutsch-Test für Zuwanderer(移民のためのドイツ語) 当日の様子(2日目・Schriftliche Prüfung(筆記試験))

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さて2日目はSchriftliche Prüfung(筆記試験)です。これまで高校受験や大学受験、就職試験や資格試験などいろいろな試験を受けてきましたが、これまででもっともカオスでした。やっぱり多国籍なメンバーで受ける試験はなかなか新鮮ですね~。

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2日目:Schriftliche Prüfung(筆記試験)

なにはともあれ、井戸端会議

筆記試験は9時から12時とアナウンスされていたので、8時30分に着くように家を出ました。前日同様、バスを使ったのでやや早く着いてしまいましたが、すでに5~6人のクラスメイトがいます。よくアラビア人は時間にルーズだと言われますが、真面目な人はすごく真面目で、試験1時間前から待機してたりします。この日もわたしより先についているのはアラビア人(正確にはアフガニスタン人1人、シリア人4人)ばかりでした。ルーズな人がすごくルーズなので印象に残ってしまうんでしょうね。ルーズな一部の人のためにイメージを決められてしまうのは気の毒。

さて教室ですが、案の定まだ準備中なので入れません。そんなこったろうと思ってましたよ(あきらめ)。コーヒーを飲みながらのんびり廊下で待ちます。一応復習ノートも持ってきてましたが、クラスメイトにものすごく話しかけられるので早々にあきらめました。直前にあがいても無駄ですしね。

試験前の説明がものすごく長い

9時を少し過ぎて、ようやく教室に案内されました。試験なのにこんなに時間にルーズでいいんだろうかと日本人的には心配。ただクラスメイトに言わせると「ドイツはいつもpünktlich(時間どおり)だよね!」とのことなので、5分くらいは「時間どおり」なのでしょう。

試験監督は女性2名。シャツにジーンズでとてもラフな格好です。この時点で雰囲気に気づくべきでした。が、「試験だ!」と気負いこんでしまったわたしは気づかず、やや緊張して自分の名前が貼られた席につきました。試験なんてWebやMOUS関係の資格試験を受けて以来10年ぶり。内容よりも「3時間も集中力が続くのだろうか」と自分の老いが心配です。飽きたり眠くなったりふわふわしたりしそう。

緊張の面持ちで神妙に座っていたのですが、前のホワイトボードを見ると、

試験:9時~
試験開始:9時30分~
Hören(リスニング):9時**分~

と、Hörenの時間が空欄で書かれています。なんや、空欄て!時間決まってないの!?

理由はすぐに分かりました。試験前の説明がめちゃめちゃ長い。

「いいですか~。今日の試験はDeutsch-Test für Zuwanderer(移民のためのドイツ語)で~す。手元に回答用紙を配るので名前や日付を書いてくださ~い。みなさん、授業で練習しましたよね~?」

小学校や中学校で説明するようなのんびり口調。え?そこから?
しかしクラスメイトたちは、「いや、こんなのやってない!」とか「どうやって書けばいいの?」と大盛り上がりです。いやいや、授業でやったよ? マークシートだから塗ればいいんだよ?

ですがよく考えてみると、マークシート方式のテストってそれほどメジャーじゃないんですよね。日本や欧米では当たり前にやってますが、他の国ではマークシート方式のテストになじんでいない人も多いようです。特にあまり学校に行ってない人はテストそのものにも慣れていないので大変。

たしかに授業中にマークシートの説明はしましたが、本番と同じ回答用紙を使って練習はしていないし、実際にマークした回答用紙を採点したわけではないので、間違って理解している人も多くいました。

マーク欄を塗りつぶすのではなく「×」をつけると思い込んでいたり(教科書では正解を「Kreuzenする(×をつける)」ことが多かったので)、かろうじてマーク欄を塗りつぶすということは分っていても、回答が「X(エックス)」の場合は「×(バツ)」をつけると思っていたり(複雑だな!)と、誤答の発想が豊かです。

まあ、そうですよね。自分が当たり前だと思ってることが当たり前じゃない国の人もいるわけです。

なかなか興味深くクラスメイトがてんやわんやしている様子を眺めていたのですが、名前や住所、母国語や出生地の記入だけに40分かかったのは驚きました。予定過ぎてるよ!

しかも試験官たちは一人一人の回答用紙をしっかりチェック。抜けがあれば丁寧に説明しています。優しい。難民の人の中には、文字が書けない状態からドイツ語を学んでる人もいるので、フォローが手厚いのでしょう。ちなみに回答用紙にはFamienname(姓)が書き込まれた状態で配布されます。めちゃくちゃ親切。

そうこうしているうちに遅刻してくるバカちんもいるし(ルーズな方のアラビア人)、「バスに乗り遅れたので遅刻します」って連絡は来るし(携帯の電源は切れと言われてるのに、切っていない人がいておかげで連絡できるという複雑なラッキー)(しかし乗り遅れてなくても遅刻してるだろうと思われる)(ルーズな方のアラビア人再び)、ああ、やっぱりアラビア人は時間にルーズって言われるかもね……などと思いつつ、バタバタしながらようやく9時40分にHörenがスタートです。予定より遅れていますが、試験官が「じゃあ、Hörenは9時40分から10時05分まで行いま~す」と空欄になっていたHörenの時間を書き込みました。なるほど、だから空欄だったのね。

Hören(リスニング):25分

さてさて、ようやくHören(リスニング)テストです。

問題は20問、時間は25分。問題用紙に「列車が出るのは何時ですか?」というような質問があり、「a)10時20分、b)10時40分、c)10時55分」という選択肢から当てはまるものを選んで回答用紙に書き込みます。

試験官がCDをセットし、最初に「Beispiel(例題)」が読み上げられるのですが、すっかり忘れていたため、「問題と音声がまったく合ってない!」とあわあわしてしまいました。授業では飛ばしてたから……(人のことは言えない)。あっぷあっぷしたまま解いた1問目はたぶん合ってるんじゃないかなと思うのですが、ちょっぴり不安です。ちなみに読み上げはすべて1回のみ。緊張します。

日本のテストだとそうだと思うのですが、わたしも問題用紙にとりあえず回答をメモしておき、あとでゆっくりマークシート用紙に書き写そうと考えていたんです。そうしたら音声が流れている途中だというのに、試験官が「回答はマークシート用紙に書いて」とささやいてきます。いやいや、いまは音声に集中させて!と思いましたが、書き写すまでじっと見守っていそうだったので、仕方なく音声を聞きながら回答をマークシート用紙に書き写しました。

最後に理由が分かったのですが、HörenのCDが終わるやいなや「はい、じゃあ回答用紙を集めます」と言って、回答用紙を集められてしまいました。ゆっくり書き写す時間なんてない!てか、全部のテストが終わってから回収じゃないの!?

当然ですが回収もすんなり終わるわけではなく「まだ書いてない!」とか「ここの答えなに?(←この質問はありなのか?)とか言いながらで、てんやわんや回収すること5分。全員の回答用紙がそろったところで、やっとLesen(リーディング)とSchreiben(長文筆記)のテストが始まり、黒板にも時間が書き込まれました。のんびりしたものです。

Lesen(リーディング):45分

Lesenはオーソドックスな文法のテストです。文章を読んで適切なタイトルを選んだり、人の要望に合わせて広告を選んだり、文法穴埋め問題を解いたり。慣れているので落ち着いて解けます。気になったのは試験官の私語。最初は今後の予定について確認してるのかな?と思ってたのですが、耳をすましてみると家庭の愚痴のようでした。オイオイ。日本の試験では考えられない光景でしたよ。どうなってんだ、ドイツ。

LesenとSchreibenは合わせて行うのかと思いきや、Lesenも時間が区切られていて、時間が終わると回答用紙が回収されてしまいます。Schreibenの時間を余らせて、Lesenの再確認をしようと思ってたのにできませんでした。どうしてこんなに細かく回収するのか……。ある意味、時間配分ができない人に対する救済措置なのか。よくわかりませんが、日本風のテストを想像していると驚きます。

Schreiben(長文筆記):30分

最後はSchreiben(長文筆記)。2つテーマがあり、どちらか1つを選んで手紙を書きます。わたしたちの場合は、「カタログ通販で家具を購入したけれども、あなたは満足できていない。会社に対して手紙を書くこと」というテーマと、もう一つ同じようなテーマだったのですが忘れてしまいました。お察しのとおり、わたしが選んだのはカタログ通販のテーマです。

これも授業で「2つのテーマについて手紙を書いてきて。ただし試験ではどちらか一つを選べばいいから」と何度も説明されていたのに、「これは両方手紙を書くのか?」「裏面にもう一つのテーマを書けばいいのか」という質問が飛び交い、かつ誰も他の人の話を聞かないので何度も同じ質問をしていてカオスでした。試験官って心が広い。

選んだテーマについて、さらに4つのポイントが指示されているのでそれを盛り込みます。たしかこのときは「なぜ手紙を書くことにしたのか」「なぜ家具に満足できていないのか」「なぜ急いでいるのか」「今後どうしたいのか」というポイントだったかと思います。「なぜ?って聞かれてもわたしも知らんがな」と思いつつ、シチュエーションを妄想してお手紙を書きます。

宿題のときから思ってたのですが、これってドイツ語というよりもシチュエーションを妄想する方が難易度が高い。しかしおかげさまで、真面目に宿題をしていたのでわたしの妄想力にも磨きがかかり、これぐらいのテーマならいろいろでっち上げることができるようになっています。

「何度か電話をしたけれどつながらなかったので手紙を書いています。カタログ通販で赤い椅子を注文したけれど、今日青い椅子が届きました。私は2週間前にドイツに引っ越してきたばかりで家具がなく、購入を急いでいます。すぐに赤い椅子と交換するか、注文を取り消して返金するかしたいので、どうすればよいか連絡をください」

というようなことを、もうちょっとデティールに凝ってふくらましつつドイツ語で書いていきます。まあ正直、赤い椅子を購入して青い椅子が届く状況ってどないやねんと思いますが、そこらへんは突っ込まれないそうなので適当です。ちなみに友人のリナとリスカも同じテーマを選んでいて、さらに二人とも「頼んだ色と違う」というクレームで、さらにリスカは色までかぶっていました。みんな考えることは一緒ですな。

試験終了

お手紙を書き終われば、あとは提出して帰ることができます。問題用紙も回収されるので、家に帰ってみることはできません。しかし持ち帰ると自己採点して胃が痛くなりそうだから、持ち帰れない方がいいのかもしれません。

なにはともあれ、試験終了です!あとは受かっているのを祈るばかり。

DFZについてはこちらに詳しく書かれています。この記事は2016年10月当時の情報なので、これから受ける方は最新の情報をチェックしてくださいね。

>>Deutsch‐Test fur Zuwanderer – Goethe-Institut(問題作成機関の説明)
>>Deutsch-Test fur Zuwanderer A2・B1 – telc(試験実施機関の説明)

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