ドイツ・ボンと聞くと、真っ先に思い浮かぶのは「西ドイツの首都」というキーワードではないでしょうか。
ベートーヴェン生誕の地、ボン
たしかに西ドイツの首都でしたし、いまも国連関係の事務所が置かれるなど名残りがあります。しかしボン市としては「ベートーヴェン生誕の地」押しのようで、2020年にベートヴェン生誕250年の祭りも計画しているそうです。まだ2016年なのに。気が長い。
そんなベートーヴェン押しのボン市ですから、よく音楽関係のイベントが開催されます。毎年開かれる「Beethovenfest Bonn」では街の広場で市民楽団や有志が腕前を披露したり、楽団を招いて演奏会が開かれたり。楽器屋さんも多く、音楽学校も結構あります。日常生活に音楽が根づいている感じです。
わたしは音楽の素養がないのでよく分からないのですが、分からないなりに音楽を聞けば楽しく、音楽が溢れるボンの街が好きになりました。
ハイクオリティな鼻歌オペラ
さて、そんなある日のこと。
時刻はすでに夜11時を回っていたかと思います。夫と二人、お酒を飲みながら話をしていると、外からかすかに鼻歌らしきものが聞こえてきました。
ドイツ人って真面目なイメージがありますが、酔っぱらうと楽しくなっちゃうらしく、結構ハメを外す人が多いんですよね。日ごろ、抑圧されているせいでしょうか。日本人も同じようなところがあるので、親近感が沸きます。たしかその日は祝日で、街中がお祭り気分だったと記憶しています。なので、多少ハメを外しても仕方がない。楽しくなって鼻歌を歌うぐらいなら罪もないですしね。
「ごきげんでよろしいですな」と微笑ましく聞いていたのですが、段々近づいてくるにつれ、普通の鼻歌とは違うことが分かってきました。
どうやらオペラっぽい。しかもめちゃくちゃ上手!!
本職かとまごうばかりの歌声に、ハイクオリティな鼻歌やなぁ、と思っていたら、なんと翌日も鼻歌オペラの人が出現。前日は男性でしたが今度は女性です。どうなってんだ、ボン!
その後もなにかと鼻歌オペラの人たちに遭遇し、「ボンって本当に音楽の町なんだなぁ」と実感しました。
いまボンはクリスマスマーケット(Weihnachtsmarkt)真っ盛り。ちょっと一杯ひっかけて帰宅する人も増えたので、今年も素晴らしい鼻歌が聞けるのではと楽しみです。