マンガ好きにオススメ!7冊+α【7月のKindle月替わりセール】

Oldiefan / Pixabay

引っ越して3か月、ようやくKindle月替わりセールを見る余裕もでてきました~。人間、やはり余裕が必要ですな。今月のKindle月替わりセールはたくさんコミックスが対象になってましたよ。特に手塚治虫「アドルフに告ぐ」はマンガ好きにもドイツ好きにも超オススメです!

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アドルフに告ぐ 1

いわずと知れた漫画界の巨匠、手塚治虫先生の代表作です。子どものころに読んだことがあるという人も多いかも。わたしも以前、紙書籍で読みました。いや~もう問答無用に面白いので超オススメです!

物語は3人のアドルフの運命を見続けた日本人、峠 草平によって語られます。3人のアドルフとは、一人は神戸に住んでいるドイツ領事の息子、アドルフ・カウフマン。そして彼と友人になるパン屋の息子でユダヤ人のアドルフ・カミル。そして第二次世界大戦でドイツを率いたドイツ国首相、アドルフ・ヒットラー

わたしはアドルフ・カウフマンの一生が読んでいて辛かった。カウフマンはドイツ人の父、日本人の母のもとに生まれたハーフです。戦争下、二つのルーツを持つハーフの人々はどちらの国からも「お前は敵国の人間だ」と言われ、つらい思いをしたという話を読んだことがありますが、カウフマンも同じようにハーフであるということを理由に日本人の子どもたちからいじめられます。

それを助けてくれたのがユダヤ人のアドルフ・カミルです。これを機に彼らはよい友情をはぐくむのですが、ナチス党員であるカウフマンの父が息子を無理矢理アドルフ・ヒトラー・シューレ(AHS)に入れてしまうことで友情が変化していきます。

ドイツでも混血であることを糾弾されるカウフマンは、自らの正当性を証明するかのごとく、過剰なまでにナチズムに傾倒し、やがてユダヤ人を迫害するようになってしまうのです。うーん、辛いなぁ。もちろん、人種的迫害が許されるはずもありませんが、自分のポジションを守るために他人を攻撃しなきゃいけないのって辛いんじゃないでしょうかね。

実際、カウフマンは淘汰すべきユダヤ人女性に一目ぼれし、彼女を日本へ逃亡させる手はずまで行います。ユダヤ人排斥を頭では理解しているけれど、心情では理解できていないということがよくわかるエピソードです。

その後、彼女はアドルフ・カミルと出会い、この出会いがさらに二人のアドルフの人生を狂わせていくのですが、これ本当に漫画なの!?と思うぐらい、苛烈なエピソードが満載で重厚な物語が展開されていきます。

わたしが子どものころは、いまほど漫画の社会的地位が高くなく、大人に隠れて読むようなもので、内容もあまり大人っぽくなかったんですよね。だから手塚先生の「アドルフに告ぐ」や「きりひと賛歌」、「奇子」などのいわゆる青年漫画を読んだときはものすごく衝撃を受けました。

「アドルフに告ぐ」はアドルフ・ヒトラーと戦争という史実をモチーフにしていますが、かなりフィクションが加えられているので、歴史物という読み方はできません。しかし二人のアドルフや「アドルフ・ヒトラーはユダヤ人の血を引いている」などフィクションを織り交ぜることで、事実よりももっと深く人間の業や戦争の悲惨さを伝える、まぎれもない名作だと断言できます。すごーく長い物語を読んだ気になりますが、実は5巻で完結しているというのもビックリです。

手塚先生は医学を勉強されたからか、ドイツへの造詣が深く、ドイツ関係だと他にもベートーベンの一生を描く「ルードウィヒ・Bゲーテのファウストをモチーフにした「ネオ・ファウストなんかも面白いです。しかし残念ながらどちらも未完。ああ、最後まで読んでみたかった!

MW 1

もう薄々お気づきかと思いますが、わたしは手塚治虫先生の大大大ファンで著作はだいたい読んでいます。その中でも「MW」はかなりの異色作で、いまだに好きなのか嫌いなのかはっきり言えません。

主人公である結城と、彼の友人で神父である賀来が同性愛の関係にあることがよく話題にされるのですが、どちらかというとこの話は救いがないところが評価が分かれるところなのかなと思ってます。

結城は過去のある出来事から心身を蝕まれ、銀行員として勤める傍ら、様々な悪事を画策し、犯罪に手を染めていきます。賀来は結城の悪事に気づいているのに、神父でありながら彼を止めることができません。やがて結城は世界すべてを道連れにして破滅へ突き進もうとするが……という感じ。

手塚先生は同性愛自体は意外とあちこちで書いてるんですよね。「人間昆虫記」なんかでも、女性同士の行為が書かれています。同性愛がどうこうというより、もともといろんな垣根があまりない人な気がします。男性と女性、大人と子ども、人と動物、悪魔と天使などなど。相反する属性の間をゆらゆらとたゆたうようなキャラクターも多く登場リボンの騎士なんか有名ですね)しますし、そういったキャラクターたちが愛し合うようになることもよくあります。

しかしどんな話でも一貫して書かれているのは、言葉にすると陳腐になりますが、愛です。恋愛に限らず、親子愛や隣人愛、大きな人間愛など、さまざまな愛が書かれているから、結論に至るまでが悲惨でもどこか腑に落ちる気がするんです。

で、この「MW」はというと、たしかに結城と賀来には肉体関係があるのですが、どうにも愛がない。結城が賀来に執着を見せることもあるんだけど、愛というより妄執に近い感じ。賀来も結城を救いたいというより、結城を救うことで自分が許されたいんじゃないかと思っちゃうんですよね。ラストまで読んでも答えがないように思えて、すごくモヤモヤします。でもモヤモヤしちゃうから、何度も何度も読み返しちゃうんですよね~。

物語の中に答えがないから、読む人がいろんな答えを求めることで、より複雑で多方面に物語が出来上がっていくのかも。ああ、これが狙いならまんまとはまってるなぁ。

ちなみに「MW」というタイトルの由来も諸説あります。本当にいろんな読み方ができる異色作です。

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 1巻

懐かしいな~!昔、単行本が発売されていた「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」のこちらは完全版。よくある復刻版ではなく、全編に渡って作画修正が施され、カラー原稿も再現。さらに最終話は大きく書き足されていて、すでに単行本を持っている人も満足できる復刻版だそうです。単行本の21巻相当が完全版15巻に収められています。

ゲーム「ドラゴンクエスト」が元になっていますが、漫画だけ読んでも全然問題なく面白いです。ゲームもすっごく面白いんですけどね、RPGは時間泥棒だから働き出してからはなかなか手が出せない~。

アシュラ(1)

これはちょっと読む人を選ぶ漫画かもしれません。かなり悲惨でグロイ。でもそこから目を背けずに読み終えるとなにかが得られるかもしれない。ということで苦手だなって人は薄目でスクロールしてくださいね!

物語は平安時代末期が舞台です。飢饉に見舞われ、すべての人が飢えています。動物や昆虫、植物は草の根まで食べつくしてなにもなく、カラスに生きながら食われても抗えず静かに死んでいくような状態です。そんな中を一人の狂った女が歩いています。彼女はまともな思考もできない中、本能だけで食べ物を探して食べ続けていました。彼女のお腹の中には子どもが宿っていたのです。なにもない状態の中で彼女が食べていたのは「人」です。生きていれば殺して、死んでいれば食えるところを焼いて食います。「食う」という表現がまさにぴったり。そうして彼女は子どもを産み落とし、しばらくは慈しむのですが、やがて飢えに負けて我が子すら焼いて食おうとします。この子どもがアシュラです。

週刊誌に掲載された1970年当時、この表現が大問題になったそうです。まあそりゃなりますわなぁ。いまだと人肉食もわりとよく見る表現になりましたが、当時はなかったでしょうからねぇ。

さてアシュラは自然に味方されなんとか食われることを逃れました。しかし親のいない子が飢饉の中、ぬくぬくと育てるわけもなく、彼も母親同様、人を食うようになります。彼の飢えは強烈で、読んでいて最初は人肉食への嫌悪を感じていましたが、段々、「どうして飢えている人間に『人を食うな』なんて言えるんだろう」という気持ちになってきます。彼は生まれてきたんだから、生きるための方法が目の前にあるのなら、それに手を出してなにが悪いんだろうと。もちろん、彼だって他人から食われる危険があるわけですが。読んでいると思想的に自分がやばいところに行きそうで、ちょっとドキドキしてきます。

わたしは文庫版上下巻で読んだので完結編は収録されておらず、最後までただひたすら救いがなく辛かった。でも安易な救いよりも、飢えという辛さをひしひしと感じ、わだかまりが残ったままの方がいいような気がします。わたしは相当無理だというとき以外は食べ物を残さないのですが、この本の影響はかなり大きいです。この物語はフィクションだけど、いまも世界で同じように飢えている人がいるなんてとても残酷なことだと思います。

ばらかもん 1巻

さて、アシュラがヘビーだったので楽しそうな作品をご紹介。ずーーーっと「ばからもん」だと思ってた「ばらかもん」です。たぶん「バガボンド」とごっちゃになってる。ちなみに「ばらかもん」は主人公が住むことになる長崎県・五島列島の方言で「元気者」だそうです。バカは関係なかった。

いまいち社会にうまく溶け込めない書道家の半田清舟が主人公。最初は父親に無理矢理送り込まれた五島列島でしたが、天真爛漫というか傍若無人というか、破天荒な性格の少女なるや変わった島民たちのおかげで島の生活にも慣れていきます。

最初は「よつばと!」みたいに、なるとの一風変わった生活がのんびり続くのかと思ってたのですが、途中から悩める青年、半田先生の成長物語って感じになってきました。書道家なんてアーティスティックで難しい職業だから悩みは尽きず、しかも父親も同じ書道家だから、二世としての悩みも深い。「俺には俺の良さがある!」みたいに開きなおり、おおらかな田舎でのびのびと作品を作り出していく……的な展開かと思っていたら、思いがけない方に話が転がっていき、いま面白いです。わたしも友人に勧められて読んで、最初の数巻はそこまで興味がなかったのですが、最近はがぜん興味が湧いてきました。まだ完結しておらず、続きが気になります。どうなるんだよ、半田先生!

恐怖新聞(1)

小学生のわたしを恐怖のどん底に突き落としたホラー漫画の金字塔、恐怖新聞です。もうめちゃくちゃ怖い。大人になったからそんなに怖くないかなと思ったけど、読み返してみてもやっぱり怖い。

恐怖新聞は冥界か幽界か、よくわからないけどそんなところからやってくる新聞です。未来の不幸を予言する新聞で、たしかに読みたくなるんだけど1日読むごとに100日ずつ寿命が縮まるというデメリットがあります。恐ろしい。主人公の鬼形礼は「霊なんて信じない」とか言ってたくせに、好奇心が災いしてかついつい恐怖新聞を読んじゃっていつも後悔してます。そしてたまに「この情報は寿命○年分だ」とか言って、いつもより多めに寿命取られたりもするんですよ!なんたる理不尽!ポルターガイスト、押し売りした上にさらに寿命をボるなんて恐ろしい。

基本的には1話~数話の短編で、もう手を変え品を変えて怖いです。ずいぶん昔の話なので、いま読むと古いな~と思う話も多いですが、娘が悪魔憑きになった神父の話と友人の弟が行方不明になる話はいまでも怖いです。絶妙に気持ち悪く、背筋がゾゾゾっとします。

今回、Kindle月替わりセールにホラーが多いんですけど夏だからですかね? ホラーは読むと怖い思いをすると分かっちゃいるんだけど、うっかり鬼形くんのように読んじゃうんですよね~。寿命はたぶん縮んでないはず。

私の悪魔がやってくる

続いてもホラーです。日野日出志先生といえばホラー界の重鎮も重鎮、大重鎮。しょこたんがファンで有名です。

恐怖新聞が手を変え品を変えて怖い現象を繰り出してくるのに対して、日野日出志先生はもう絵が怖い。表紙を見るだけでぞわぞわと嫌な気持ちになります。一番苦手な表紙は「蔵六の奇病。なんでしょうね、穴ぐらも虫もみんな怖い。

「私の悪魔がやってくる」は表紙はいっけん普通なんだけど、読み終えてみるとその普通なのがむしろ怖いってことが分かります。結局、全部怖い。ちょっとアダルティなのも、見ちゃいけないものを見たって感じで怖いのかも。

日野日出志先生の本は絶版になったものも多いのですが、電子書籍で復刻されて嬉しい限り!ホラーの古典と言えるような話も多いので、ホラーファンならぜひ押さえておきたい。

余談ですが、日野日出志先生はホラー作家なのに怖がりだからお酒を飲みながら漫画を描いてるんだそうです(アウト×デラックスで見た)。ラブリー。

その他にもたくさんあります!

他にもまだまだコミックスありましたよ。たくさんあったので、面白そうだな~って本をピックアップしてみました。

長期休養後、人気シリーズ復帰第一作。

すごく楽しそうでいいなって思う。

「インド夫婦茶碗」で有名な流水りんこ先生が2作。「インド夫婦茶碗」もぶっ飛んでて面白いです。インド人、すげぇ!

ほんわかユルギャグストーリー集だそうです。ホラーに疲れた身に染みる。

アンドロイドを“家電”として扱う社会にある、「アンドロイドと人間を区別しない」喫茶店。そこで出会ったアンドロイドと人間の物語。

母を亡くし、父子家庭で育つ兄妹のありふれた、けれど大事な日常。柔らかな絵柄がいいですね。

森に住む暖炉の妖精、ポーリーン。ほのぼのしてるのかと思いきや、グリム童話のようなダークテイストが盛り込まれているそうです。意外。

いや~世の中、まだまだ読んだことない本がありますね~。きっと死ぬまで読み終わることないんだろうと思うと、これからも楽しみです^^

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