ドイツ・ボン大学の博士号取得お祝いがすごくドナドナ

3dman_eu / Pixabay

ある日。買い物に行こうとしたところ、すごく変な光景に遭遇しました。聞いてみたら博士号取得のお祝いなんだとか。ほんまかいな。どう見てもドナドナやん!

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ボン大学について

ドイツ・ボン市にあるボン大学は1818年に設立された、ドイツの中では比較的新しい大学です。それでも200年の歴史があるんですよね。ちなみにドイツ最古の大学はハイデルベルク大学で1386年設立。すごい。

正式名称は「Rheinische Friedrich-Wilhelms-Universität Bonn(ライニッシェ・フリードリヒ・ヴィルヘルム・ウニベルシテート・ボン)」。通称は「ウニ・ボン」です。かわいい。

ボン大学は日本の大学のように、大学の敷地(キャンパス)というものが明確に決まっていないみたいで、あっちこっちに大学の施設が点在しています。フツーの家の隣が大学だったりするんですよ。変な感じがしてましたがだいぶ慣れました。ドイツの大学が全部こういうスタイルというわけではなく、むしろボン大学がレアケースな気がします。

うちの近所はボン大学の中でも理系の研究所が多く建っている地区で、各国からの留学生も多く、インターナショナルな雰囲気です。

買い物へ行く途中、ドナドナを見かける

そんなボン大学の研究所が立ち並ぶ通りを、買い物へ行こうと歩いていたときのことです。突如「プピー♪プピー♪」とサンバホイッスルのような音が背後から聞こえてきました。振り向くと台車を取り囲む人々が見えます。さらに台車には人がひざを抱えてうずくまるように座っていました。こんな感じ。

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いったい何があった……。

台車を取り囲む人々はめちゃくちゃご陽気で、笛を吹いたり踊ったりしながら歩いています。台車を引くのはやや年配の紳士で、ドイツにしては珍しくスーツを着ています(仕事でもスーツ着ないから)。中央に座っている人はうつむき加減で、楽しいんだか悲しいんだかよく分かりません。台車はモールなどで飾られているので、祝い事っぽいけどなんとも判別しがたい。

照れているようにも見えるし

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売られていく子牛にも見える。

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ドナドナですやん。

しばらく見ていましたが、大きな通りまで連れられて行き、姿が見えなくなってしまいました。大丈夫なんやろうか……。

ドナドナではなく、博士号を取得したお祝い

夫にこの話をすると「あれ、博士号を取得したお祝いらしいで」と教えてくれました。ほんまかいな。

ドイツでは博士の価値がすごく高いんですよね。名前の敬称は普通「Herr(ヘル)」「Frau(フラウ)」ですが、博士号を取得していると別に「Dr.(Doktor)(ドクトア)」という敬称がつくぐらい貴重。教授になるとさらに「Prof.(Professor)(プロフェッソア)」がつきます。実際、病院で「プロフェッソア・○○」と呼ばれている人がいて驚きました。

夫も博士課程を修了して博士号を取得しているのですが、日本では飲み屋さんやスナックで「ハカセw」みたいな感じで呼ばれてる以外聞いたことがありません。扱いが軽い。

たしかに聞いてるとドイツの理系大学院ってすごく大変そうなんですよね。途中で断念してしまう人も少なくないらしく、取得できても最短5年のところ6年かかったり7年かかったり。だからこそ博士号が取得できたときは盛大にお祝いするのかも。ドナドナの台車を引いているのは基本的には研究室のボスである教授だそうです。祝ってますなぁ。

ボン以外では見ないドナドナ

しかしこのドナドナ。ドイツだったらどこでもドナドナしているわけではありません。夫に聞き込みしてもらったところ、ボン大学でもしない研究室もあり(主に教授の決定による)、ケルン大学でもする研究室もある(ボン大学出身の先生かもしれない)とのこと。

ベルリンに住んでいたとき、夫の研究室で博士号を取得した人がいたのですが、ドナドナではなく普通にお家でパーティをしていました。ゲストは入れ替わり立ち替わりたぶん70人ぐらい。すごい盛大!博士号を取るって本当にすごいことなんですねぇ。

その後、同じ道でさらに2回遭遇し、夫の研究所にいる学生ちゃん2人も博士号を取得したので写真と動画を見せてもらいました。台車がやや大きいから、ドナドナ感がやや薄く……なってないかな……。

まあでもドイツでは博士号を取得するといろんなところに就職できるので、日本の博士たちよりそういう意味ではドナドナじゃないようです。日本の博士たちももうちょっと大事にしてもらえるといいですねぇ。苦境にめげずがんばって!

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