ヨーロッパを旅行するなら鉄道?それともLCC?

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ヨーロッパは陸続きなので、いろいろな国に鉄道で移動することができます。国際鉄道に乗ると気分は「世界の車窓から」。鼻歌でテーマソングを歌ったりして、とても楽しい。海外に行くときには必ず飛行機に乗らなければならない日本人からするとかなり魅力的な旅行です。

私自身、鉄道の旅は好きですしよく利用するのですが、最近は「LCC、めっちゃ便利だな!」と思うようにもなりました。しかもかなりお得。鉄道とLCC、それぞれ良い点・悪い点についてまとめてみたいと思います。

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ヨーロッパ鉄道旅行の良い点・悪い点

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ヨーロッパ鉄道旅行の良い点

利用手続きが簡単

飛行機だと手荷物検査が必要になりますが、鉄道旅行なら不要。ヨーロッパの多くの国はシェンゲン条約(お互いの国民の行き来を簡易に認める条約。イギリスは非加盟)に加盟しているので、出国・入国審査も必要ありません。

途中下車も可能

チケットの買い方にもよりますが、鉄道旅行なら途中下車が可能。ヨーロッパのほとんどの国は改札がないので途中下車もできるようになるわけです。

実際にボンからルクセンブルクまで列車で移動したときには、古代ローマの風情を残すドイツの古都市・トリーアで途中下車しました。トリーア自体は小さな町なので1泊して観光という感じではないのですが、ローマ風大浴場やコロッセウム、トリーア大聖堂や聖母聖堂など見どころがたくさんあり、通り過ぎてしまうのはもったいない。数時間滞在して名所を堪能した後、ルクセンブルクへ向かいました。これが1枚のチケットでできるのですからすごくお得!

目的地までのんびり車窓の旅

目的地まで直通の列車がある場合、乗ってしまえばあとはのんびりと座って旅を楽しむだけ。車窓からの眺めは広々として、日本とは違う風情を楽しめるのもいいところです。

ヨーロッパ鉄道旅行の悪い点

遅延・運休も当たり前

一番困るのはこれ。ヨーロッパの長距離列車はいろいろな国を通ってくるため、20分、30分の遅延は当たり前。1時間以上の遅延もよくあることです。時には列車の運行自体が取りやめになってしまうことも!わーお!

慣れない国で列車自体がなくなってしまうなんて困りますよね。英語ができれば窓口で違う列車を予約することもできますが、英語ができないのであればかなり苦しいかも(窓口で英語が通じないこともありますが)。

日本からの旅行ならば、ジャーマン・レイル・パスを持っているとフレキシブルに列車を変更できるのでいいかもしれません。現地で随時チケットを買うよりも割高ですが、遅れてきたときの保険という感じでしょうか。

乗り換えが複雑

目的地まで直通の列車があればよいのですが、なければいくつか列車を乗り換えることになります。これが複雑。

「事前にネットで調べておいて、時間通りに乗り換えればいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、なにせ列車は遅延・運休が当たり前。事前にどれだけ調べていてもスケジュール通りにはいかないのです。

乗ってきた列車が遅れたせいで乗り換え時間が数分しかなく、重い荷物を持ってホームからホームへと走ることもあります。

コンパートメントは緊張の連続

ヨーロッパの長距離列車でよくあるのがコンパートメント形式の列車です。3人掛けの座席が向かいあい、6人座れる席が一つの部屋(コンパートメント)として区切られています。

コンパートメントの場合、いくつか作法があります。まずコンパートメントに入るとき、先に座っている人がいれば声をかけ挨拶をする。話しかけられたら、なるべく楽しく談笑する。食事はしてもいいけど、匂いがするものは食べない、など。

「なるべく楽しく談笑する」というのはおそらく、長時間同じ部屋にいるのでお互いの身の安全を保障するために、人となりがわかるよう話をするようになったのだろうと思われます。親しくなっておけばトイレなどで少し席を外すときも安心してまかせることができますしね。

海外旅行が好きな人の中には、まさにこういった触れ合いを求めている人も多いようですが、私は人見知りなのでコンパートメントが苦手。しかし一見すると人当たりが良さそうに見えるみたいで、ものすごく話しかけられます。本当は車窓を見るか本を読みたいのですが(根がひきこもりなので)、敵意がないことを示すためににこやかに話をするようにしています。

ヨーロッパLCC旅行の良い点・悪い点

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ヨーロッパLCC旅行の良い点

列車より早く着く

手荷物検査や入・出国の手続き、空港までの移動時間を含めたとしても、たいてい列車より早く着きます。

ドイツの新幹線に相当するものはICEかICなのですが、日本の新幹線に比べるとかなりゆっくり。たとえば同じドイツ国内でボンからミュンヘンまで移動しようと思うと5~6時間ぐらいかかります。日本の新幹線なら半分ぐらいの時間で着きそうな気がするんですけどね。

その点、LCCは早い。ケルン・ボン空港からミュンヘン空港まで1時間。イタリアやスペインにも2時間程度で到着します。国をまたいでこの早さ!すごい。

比較的時間が正確

列車は遅延・運休が当たり前ですが、LCCは比較的時間に正確です。とはいえ、到着便が遅れると1時間ぐらい出発が遅れたりもするんですけどね。しかしそれでも遅延の頻度は列車より低い印象です。これまで20回以上LCCを利用していますが、運休はいまのところなし。外国人には利用しやすい交通機関じゃないかなと思います。

時々すごく安いチケットがある

上2つの利点はLCCでなくても飛行機なら当てはまるのですが、LCCならではといえばやはり価格の安さが最大の利点でしょう。通常価格でも十分安いのですが、時々びっくりするぐらい安いチケットを売り出すことがあります。私が利用したのはイタリア国内を移動するLCC。通常50ユーロぐらいするチケットが9ユーロで売り出していました。9ユーロて!安いな!

まあ、そのかわり時間が固定ではなく、一日のうち空いている時間に席を割り振られるので、前日までに数度出発時間が変わりました。これもいい話のネタです。急がない旅行ならいいと思います。

ヨーロッパLCC旅行の悪い点

時間変更ができない

日本のLCCもそうですが、格安なので時間は変更できません。会社都合で飛行機が欠便になった場合は振り替えてもらえるようですが、それ以外の理由ならばチケットは破棄。新しくチケットを購入しなければなりません。いかんせん列車が遅れるのが当たり前なので、空港まで向かう列車が遅れて飛行機に間に合わないということも起こりえます。

列車なら乗車チケットさえあれば基本的にどの列車に乗ってもいいので(列車指定の割安チケットだとできません)、柔軟さではかなわない気がします。

預け荷物が有料

LCCは預け荷物が有料。航空会社にもよりますが15~20ユーロするところが多いようです。9ユーロでチケットを買って、預け荷物に15ユーロ払ってたらお得でもなんでもない。日本からの旅行だとほとんどの人は大きなスーツケースを持っているので預けることになりますから、お得感は薄くなるかなと思います。

日本からヨーロッパに来てLCCを利用するならば、どこか拠点を決めて大きな荷物を置いておき、機内持ち込みできるリュックなどで身軽に移動するのがいいかもしれません。

すべてを手荷物にすると、持ち込めるものが制限される

たとえば100ミリを超える液体物などは機内持ち込みが制限されます。荷物を預けない場合、100ミリを超える液体物は持って移動できないということになるんですね。

これの何が困るかというとお土産です。私はイタリアでオリーブオイルを買いたかったのですが、大きなものは制限にひっかかるので買えず、仕方がないので小さな缶に入ったオリーブオイルを買いました。本場イタリアのオリーブオイルはすごく美味しい!なのに、小さな缶だからすぐに使い切っちゃって、少し残念な気持ちになりました。

遠距離移動はLCC、近場は鉄道

このように鉄道・LCCのどちらにも良い点があり悪い点もあるので、目的地やスケジュールによって使い分けています。基本的には、遠くへ移動するならLCC、3~4時間ぐらいの近場なら鉄道という感じです。

特にヨーロッパに住んでいるなら、機内持ち込みできるスーツケースぐらいで十分旅行ができるのでLCCはとても便利。これまでイギリス、フランス、イタリア、スペインへLCCを使って旅行しました。次はどこに行こうかなぁ。

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