意外な裏事情がいっぱい!ラジオ体操には大人の本気がつまってる

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「ラジオ体操」と聞くと、子ども時代の夏休みを思い出す人も多いのではないでしょうか。しかしあのラジオ体操。意外な大人の裏事情が詰まっている超本気の体操なんです。

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ラジオ体操の美しい思い出

わたしの住んでいたところでは、夏休みのラジオ体操は「ラジオ体操の歌」から始まりました。小学校4年生だったか5年生だったかは失念しましたが、担当の生徒が朝礼台に乗ってみんなの前で歌うのが習わしでした。友人に連れられてわたしも担当になり、夏休みの間、毎朝ラジオ体操の歌を歌っていました。爽やかでいい歌詞なんですよね。

「新しい朝が来た 希望の朝だ」
「喜びに胸を開け 大空あおげ」

引用:「ラジオ体操の歌」作詞:藤浦 洸、作曲:藤山一郎

伸びやかな夏の空と、大きく腕を伸ばして天を仰ぐ子どもたち。昇ってくる新しい朝日とともに、子どもたちの晴れやかで輝かしい希望に満ちた未来が見えてくるようです。

ひと夏の間ずっと歌っていたので、いまでもソラで歌うことができます。子どものころの記憶力ってすごい。

大人になって裏事情を知る「素晴らしきラジオ体操」

そんな美しい思い出だったラジオ体操の裏事情を知ったのはある本がきっかけでした。それがこれ。「素晴らしきラジオ体操」です。

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昔、職場の同僚が引っ越しで処分するからとくれたもので、たぶんもらわなければ出会うことはなかったでしょう。ある意味、運命の出会い。

内容は、とりつかれたようにラジオ体操を続ける「ラジオ体操人」へのインタビューから始まり、それほどまでに深く人々を魅了するラジオ体操のルーツへ遡り、さらにその後のラジオ体操の歴史を追うという流れです。

皆で集まりラジオ体操を続けているご老人たちに「なぜラジオ体操をするのか」と尋ねると「ラジオ体操してると死なないんです」とか「(ラジオ体操を)休むと死んだと思われてしまうからです」 とか、なかなかシュールな回答が連発で面白く、なんだかラジオ体操がしたくなってきます。しかし問題はその後、ラジオ体操のルーツです。

ラジオ体操のルーツはアメリカの保険会社

PIRO4D / Pixabay

ラジオ体操のルーツはアメリカのある保険会社のイメージアップ作戦でした。保険会社が扱う「死亡保険」という商品は「人の死をお金で換金する」と捉えられ、当時イメージが悪かったのだそうです。そこで死に至るまでの「健康に生きる」ことを前面に打ち出すため、健康を増進する体操を考案。1925年、ラジオで流し始めたのがルーツなのだとか。

これだけなら「へ~。CMのひとつか~」という感じなのですが、保険会社の狙いはそれだけではありません。

保険加入者が長く健康で生きてくれると、保険加入者が支払う掛け金も増え、さらに入院保険など保険金の支払いも少なくなるため、保険会社が儲かるというのです。

ガーーーーーンッΣΣΣ(゚口゚;

一見爽やかなイメージのラジオ体操に、そんな大人の欲にまみれた裏事情があったなんて……。「健康に長生きしてもろた方が儲かってよろしいわ。ゲヘヘ」ってな声が聞こえてきそうです。

日本に導入されたのは1928年(昭和3年)。逓信省簡易保険局(いまのかんぽ生命保険)の職員が海外を視察。ラジオを使った体操事業を日本に紹介したのが始まりだそうです。やっぱり保険。

「日本人の体格向上」とか「国民の健康」とか美しい理想を掲げていますが、やっぱり保険なんですよ。「健康に長生きしてもろた方が(以下略)」ですよ。

ガガーーーーーンッΣΣΣΣΣ(゚口゚;

事実、いまでもラジオ体操の著作権の大半はかんぽ生命が所有していて、サイトに公式動画も掲載されているのです。

ちなみにラジオ体操出席カードもかんぽ生命がスポンサーなんですよ。知らなかった……。

なんていうか、大人って、大人って……ッ!!!

楽曲等の使用について-かんぽ生命
ラジオ体操動画映像-かんぽ生命

手段が目的化していくニッポン

そんな大人の欲にまみれたアメリカのラジオ体操ですが長くは根付かず1935年(昭和10年)に終了。一方、日本ではみんなで楽しめるというのが性に合ったのか健康オタクごころが刺激されたのか、戦時中には戦意発揚のためにも利用され、今日まで長く続いています。

しかし決して順風満帆だったわけでもなく、存続の危機に瀕したこともありました。

戦後、GHQ占領下では団体で一つになって動くというところが「軍国主義的で好ましくない」とされ、マッカーサーに禁止に追いやられそうになったと言います。そこで当時の日本人は必至に「いやいや、号令もないしみんな自発的に体操してるだけなんで!」とか「みんなで意見を出し合ってやってますから!」とか「みんな」という民主主義的なところをアピールして禁止を免れたのだとか。必至だな。

もう「健康に長生きしてもろた方が(以下略)」という目的はすっかり忘れてしまい、「ラジオ体操をしたいからラジオ体操をする」状態。手段が目的化してしまったわけです。日本ってよくありますね。既存制度の存続に燃えるのかもしれない。ラジオ体操人も「それは、ラジオ体操ですから」という謎の答えを頻発します。「山があるから」と同じ理論。

大人の本気がつまったラジオ体操は効果絶大!?

かように大人たちが本気を出して作り、守り続けたラジオ体操ですから、効果のほどもなかなかです。

わたしも寝たり起きたりの生活を2年ほど送った後、リハビリ的にラジオ体操をやってみたらものすっごく筋肉痛になり、効果のほどを思い知りました。元気なときにやるとあんまり効果を実感しないのですが、弱ってるとかなり効く。毎日ラジオ体操をすれば健康が増進するというのも分かる気がしました。

まあ、こんな記事を書いたのも今日久しぶりにラジオ体操をやったら、やっぱり体がギシギシしてるからなんですけどね(運動不足すぎる)。

海外だとラジオが聞けませんが、かんぽ生命がYoutubeに公式動画を公開しているので見ることができます。運動不足の方、一緒にがんばりましょう。

「素晴らしきラジオ体操」は小学館から出版され、一時絶版でした。しかし数年前、草思社から文庫として復活しました。良書なのでとてもめでたい! 電子書籍は残念ながらありません。出てほしいなぁ。

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