あの真面目なドイツ人が老若男女大騒ぎ!ドイツのカーニバル【ドイツ・ボン】

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ドイツのカーニバルといえばケルンのパレードが有名ですが、ボンでも同じようなパレードが行われます。ケルンより規模が小さくなるとはいえ、ローゼンモンターグ(Rosenmontag)には多くの店が自主休業し(祝日じゃないのに!)、街をあげてのお祭り騒ぎです。あの真面目なドイツ人がこんなに乱れるとは。

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ドイツのカーニバル、日本でいえばだんじり

カーニバル自体はドイツだけではなく、キリスト教・カトリック圏の様々な国で行われているお祭りです。灰の水曜日(Aschermittwoch)からキリストの復活を祝う復活祭(イースター:ドイツ語だと「Ostern」)までの間は断食期間になるので、その前に肉を食べるぞ!と盛り上がってついでに大騒ぎするという感じ。

リオのカーニバルが有名なのでサンバのイメージが強いと思いますが(わたしも思ってました)、ドイツのカーニバルは地方色豊かでお祭りの仕方も様々。ケルンではトラックほどもある大きな山車に飾りをつけて街を練り歩き、近くのデュッセルドルフやボンでも同様に山車が出ます。

Efraimstochter / Pixabay

一方、知人が住むシュヴァーベン地方のフライブルグでは山車は出ません。ひょっとこみたいな仮面やお化けのような扮装をした人々が音楽を演奏しながら通りを練り歩きます。この仮面が特徴的で面白い。もう少し小さな村に行くと、また全然違う祭りになるんだと教えてもらいました。

ドイツでは古来から冬を追い払い、春の訪れを祝う風習があったそうで、そこにカトリックのカーニバルがくっついたと言いますから、よりいっそう地方によって独自色が強くなったのかもしれませんね。

日本でいえばだんじりが近い気がします。だんじりも忘れがちですが神事です。わたしの地元では各集落ごとに山車があって、それぞれ趣向を凝らして街を練り歩きます。1年のすべてをここにかけてる!という人も多くまさに「ハレの日」。ドイツでも同じように地域ごとのつながりがあるんだなぁと思うと楽しい。

ドイツ連邦共和国大使館・総領事館のホームページに各地方のカーニバルについて書かれています。

http://www.japan.diplo.de/Vertretung/japan/ja/08-kultur-und-bildung/feste-traditionen/Karneval/0-Karneval-in-Deutschland.html

写真もありました。

http://www.japan.diplo.de/Vertretung/japan/ja/08-kultur-und-bildung/feste-traditionen/Karneval/Karneval__Bildergalerie.html?offset=0

祭りはすでに11月から始まっている

本格的なカーニバルは山車が出るローゼンモンターグとその前の3日間なのですが、実はそれよりずーーーっと前に祭りは始まっています。それが11月11日。聖マルティンの日です。うちの近所では子どもたちがランプを持って夜の街を歩きます。うーん、気が早い。

とはいえ12月にはクリスマスがありますし、2月までずーーーっと盛り上がってるわけにはいかないから、11月11日はカーニバルの準備を始めてもいいという合図って感じでしょうか。しかしカーニバルを愛するカーニバリストたちは翌年に向けて虎視眈々と動き始めています。

1月6日から宴会がスタート!

1月6日は東方三賢者の日(Heilige Drei Könige)。12月25日に誕生したイエスの元を訪れ、贈り物をした三人の賢者に由来する祝日です。ここでクリスマス関連の行事は一区切り。この日も子どもたちが賢者の格好をして街を歩き、学校でお芝居などをするのだとか。微笑ましい。

しかし大人たちは微笑ましい行事の裏で、着々と飲み会カーニバルの準備を進めています。酔っぱらう気満々です。クリスマスはもう終わったからいいだろうと。

この辺からレストランなどでカーニバルの仮装をした集団をちらほら目にするようになってきます。のんびり食事をしていると、仮装集団が「Alaaf!(アラーフ!)」と声をかけながら乱入してくるのでビックリです。ボンに来た当初はこの風習を知らなかったのでかなり驚きました(ベルリンにはなかった)。もう一度言いますが、気が早いな!!

「Alaaf!」はケルン・ボン地方のカーニバルお決まりの掛け声。本格化してくると道でも「Alaaf!」と声をかけられたりします。仮装集団は専門の大道芸人というわけではなく一般人で、カーニバルのお祝いのために飲み屋に集まっているだけ。というか飲みたいだけ。いや、でも知らなかったら誤解しますよね。仮装集団は決まった日に出没するわけではないので、見られたらちょっとラッキーと思うようになりました。

2月に入ると宴会が本格化し、週末になると貸し切りでパーティをするところも増えていきます。「どこどこでご飯食べよう」と行ってみたらパーティ中ということもあるので旅行するときには要注意。

カーニバル本格始動!今年は2月23日(木)から

灰の水曜日の6日前、前週の木曜日にカーニバルが本格的に始まります。なんでこんなあいまいな書き方かというと、基準になる復活祭が「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」という月を基準とする陰暦なので、その46日前の灰の水曜日も毎年移動するからです。ボンに来てもうすぐ4年ですがこの日程がちっとも覚えられず、しょっちゅう検索して調べています。難しい。

2017年の今年は2月23日(木)からスタート。

ボンやケルンがあるラインラント地方では、初日は「女たちのカーニバル(Weiberfastnacht)」と呼ばれています。昔は男性だけで行われていたカーニバルに女性も参加しよう!と闘ったことが起源らしく(しかもボン・ボイエル地区が発祥と言われています)、当日は権力の象徴として男性のネクタイを切るのだそうです。わたしの周りにはネクタイをした男性がいないため、実際の現場は見たことないんですけどね。夫も同僚もいつもTシャツ、ジーンズ、パーカー。スーツなんて見たことない。

女たちのカーニバルとは言いますが、この日から老若男女、ほぼすべての人がカーニバルモードに突入。道を歩けば半分ぐらいの人は仮装していますし、そのまま買い物にも行くのでスーパーがかなりカオスです。海賊(の仮装をした人)の横でレジに並ぶというシュールな絵面が出来上がります。海賊の横に踊り子さんがいて、後ろに兵士が立っているとかね。だんだん仮装していない自分が恥ずかしいような気持ちになってくる時期です。

カーニバルの最高潮!パレードが出るローゼンモンターグ

女たちのカーニバルの後はめいめいパーティを楽しみ、日曜日には各街の祭りが行われます。そしてカーニバル最高潮は翌週の月曜日、ローゼンモンターグです。飾りつけした山車で街中を練り歩くのですがこれがまた長い。3.8キロも歩くんですって。長いなぁ。12時から始めて、最後の人が歩き終わったら終わりです(適当)。

ボンの場合は旧首都で、現在も国連や様々な国際機関の事務所がおかれている関係からか、かなり国際色が豊かな気がします。

こちらはブラジルの山車。

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こちらはアラブ系国の山車。ラクダが街を歩くなんて。

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こちらは別日ですがたぶん南米。ボリビアかペルーかな?

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まあこんなだらだら続くパレードなのですが、観客は飽きもせずに立ち続けます。お目当ては山車から配られるお菓子や花です。お菓子をまくアラブの人。

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そしてお菓子を拾う人々。

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写真がすべて伏し目がちなのは、みんなお菓子を巻く準備をしていたり、拾っていたりするのと、わたしがどんくさくちょうどいいときを押さえられないからです。ちょうどいいときにシャッター切ると、シャッターが下りたときにはもう遅くてみんな下向いてるんですよ。写真難しい。手をあげている人は「お菓子ちょうだい」とアピールしてます。

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拾ったお菓子。しかし普段お菓子食べないから持て余したあげく人にあげてしまいました。なので翌年から拾わなくなりました。子どもさんがいるご家庭にはいいかも。

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パレードはもちろん見学だけでもいいのですが、仮装をせずに見学してるとものすごく目立ちます。不思議なものでなにもしてない人が目立つ日なのです。できればちょっとでも仮装する方がいいでしょう。わたしは仮装せずにいたら目立ってしまい、山車からいつもお菓子を投げてもらうので(観光客だと思われたのかも)、そのお菓子を狙った子どもたちに身動きできないほど囲まれたことがありました。

わたし調べでは毎年仮装の定番人気は海賊と踊り子さん。もしくは騎士とお姫様。若い男の子はなぜか動物のつなぎを着ていることが多いようです。安くて暖かいんですかね。

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仮装といっても、日本人が想像するハイクオリティなコスプレではなく、とりあえず目立てばいいという感じです。ヅラをかぶったり帽子かぶったりスイムキャップかぶったり。写真はスイムキャップをかぶったお母さん。それは仮装なのかね?

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理由をつけて大騒ぎしよう!明日の日常のために

このように結構ぐだぐだな祭りなのですが、日本人に比べれば自由人なあのドイツ人でも理由をつけなければ騒げないのだと思うと、ちょっとほろりとします。夏には1か月休みを取って旅行に出かけるけれど、仮装とかは恥ずかしくってできないんですよ。シャイだなぁ。

非日常性って日常とのバランスを取るために必要っていうのは分かるんですよね。海外旅行に近い非日常性がある気がします。日本のハロウィンに近いのかな? 迷惑かけなければ楽しめばいいじゃない。

でも真面目だからカーニバル当日にもう掃除してるんですよ。えらいな。

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と言いつつも、昨年のカーニバルの日はパリに行ったりベルギーに行ったりしてました。だってお店が閉まるから不便なんです。今年はドイツにいる予定なので、久しぶりにパレード見に行こうと思います。うまく写真が撮れたらアップしますが、更新がなかったら「ああ、また失敗したんだな」と温かい目で見てください。よろしくお願いしますm(_ _)m

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