先日「辞書は読み物」と辞書アプリ「日本国語大辞典」をご紹介しましたが、もちろん他にもいろんな読み物コンテンツが海外でも楽しめます。今回は海外でも楽しめる無料読み物コンテンツを集めてみました。
名作ばかり1万5千作品が読み放題「青空文庫」
なんといっても、押さえておきたいのは「青空文庫」です。「青空文庫」では著者没後50年を経て著作権が消滅した作品を、有志の手でテキスト化して公開しています。紙の本を見ながら有志が打ち込んで校正しているのだそうです。ありがたや(-人-)
「青空文庫」は著者没後50年を経てなお読み継がれる名作揃い。そして数が多いのも嬉しいところ。2017年1月30日現在公開中の作品はなんと約1万5千作品!
芥川龍之介や太宰治などは短編が多いので、掲載作品数も多くなっていますが、それにしてもこの掲載本数にはほれぼれとため息がでます。日本にいると図書館などで借りられる名作ですが、海外にいると借りるわけにもいかないので、こうやってネットを通じて読めるのは本当にありがたい。
データはテキストとXHTML形式なので、パソコン以外にもタブレット、スマホなどのビュアーを使って読むことができます。iPad+iPhoneユーザのわたしがオススメするビュアーは無料アプリの「i読書」です。
いくつか有料アプリも試したんですけど、「i読書」が一番安定していました。有料アプリは機能が多くなる分、動作が重く、肝心なときに落ちたりするんですよね。以前、長距離フライト前に落ちたときはどうしようかと思いました。
「i読書」の欠点はフォルダ分けがしにくいところです。有料アプリだと作成したフォルダを自分の使い勝手がいいように並べられるんですけど、「i読書」はおそらくJISコード順に並べるので、「夏目漱石」「太宰治」「芥川龍之介」というように、50音順には並ばないんです。このせいでフォルダ分けしても作品を探すのが面倒だと言われています。
わたしは解決策として、フォルダの前にアルファベットを入れています。こんな感じ。
頭にアルファベットを一文字入れておくだけで、規則的に並んでくれるので便利です。無料版は広告が入りますが、アドオンで広告を削除することもできます。作品の本文を読むときには表示されないので、わたしは削除しないまま使ってます。気にならない。
android端末を使っていたときは、「読書尚友 Free」を使ってました。フォントが綺麗だったので。
無料で洋書を楽しむならば「Amazon Kindle」
「Amazon Kindle」は電子書籍の販売も行っていますが、無料本もたくさん取り扱っています。特に洋書版青空文庫とでもいうように、著作権切れの名作洋書がたくさん集められているのが嬉しいです。
不思議の国のアリスやシャーロック・ホームズシリーズなども著作権がすでに消滅しているので、無料で公開されています。英語版だけでなくドイツ語版やフランス語版がある本もあります。
著作権が消滅した洋書というだけならば、ネットで検索して読むこともできるのですが、「Kindle」をオススメするのはアプリの使い勝手がとてもいいからです。
たとえばこんな感じで本を読んでみます。
これは「Sherlock Holmes – The Ultimate Collection」という本の一ページ。読んでいて「『prescribed』って言葉が分からないなぁ」というときは単語を選択してみます。するとこんな画面が。
ダウンロードしている辞書を使って意味を調べることができるんです。これがとっても便利! 右下の「Google」をクリックすればネットで検索もできますし、辞書を変更すれば別の言語でも検索できます。
たとえばドイツ語の辞書をダウンロードしてみましょう。左下にある「英語-日本語」というところをクリックします。
すると「辞書を選択する」という画面が表示されました。この中から「English-German」を選択しましょう。
青い下矢印をタップして辞書をダウンロード。
ドイツ語の訳が表示されました。
残念ながら「ドイツ語-日本語」「日本語-ドイツ語」はないのですが、「English-German」「German-English」や独独辞書の「Deutsch」などがあります。
他にもハイライトで表示した文を記録させる「マイノート」や単語帳のように使える「フラッシュカード」などかなり多機能です。読み物としてだけではなく、語学学習ツールとしても優秀なので、語学勉強中の方にはオススメです。
試し読みや無料マガジンが読める「Yahoo!ブックストア」
コミックスの試し読みなどが充実しているのが「Yahoo!ブックストア」です。他の電子書籍サイトでも「試し読み1巻無料」などのサービスがありますが、「Yahoo!ブックストア」はアプリ上でダウンロードまで行えるのが特徴的。サイトで試し読みを無料購入して、アプリでダウンロードして、という二度手間がありません。
また無料マガジンが読めるのも面白いサービスだと思います。「Yahoo!ブックストア」はやたらハーレクインコミックスが充実していてさらに無料マガジンで読めるので、「こんなに無料で読ませて儲かるんだろうか。どんな人がメインターゲット層なんだろうか」ということが気になり、1か月ほどひたすらハーレクインマガジンを読み込んだことがありました。たぶん正しい楽しみ方ではないと思いますが面白かったです。そして儲かるだろうなという結論を得て満足しました。
白書が読める「紀伊国屋書店Kinoppy」
紀伊国屋書店の電子書籍専用アプリ「Kinoppy」も「Yahoo!ブックストア」同様、アプリ上で決済まで完了できます(Apple IDを使用)。それも便利なのですが、変わってるなぁと思ったのは、総務省が発行している「情報通信白書」が無料で読めることです。
いまは「情報通信白書」しかないのですが、紀伊国屋書店ならそのうち政府系白書を取り扱ってくれるのではと期待しています。白書はいろいろ載ってて面白いです。
無料アプリで読める「ブラックジャックによろしく」など
最近増えたのがアプリをインストールすれば全巻無料で読めるコミックスです。さきがけは「ブラックジャックによろしく」でしょう。ドラマしか見たことがなかったので「あれ?こんな話なの?」と驚きました。面白かったです。
「ブラックジャックによろしく」に関して言えば、一般広告や他の書籍の広告などを入れることでマネタイズしているようですね。しかし他の無料コンテンツアプリはどんな目的で無料になっているのか分かりませんからねぇ。できれば有名出版社が提供している安全な無料アプリだけを利用する方がいいと思いますが、まあそこは自己責任で。
まとめ
以上、海外でも楽しめる無料読み物コンテンツ5つでした。他にも「こんな読み物コンテンツあるよ!」という情報があれば教えていただけると嬉しいです^^