3月19日、ドイツ・ボン市にあるボンセンターの爆破解体を見に行ってきました。日本ではほぼ見られない爆破解体。とてもダイナミックで面白かったです!
ボンセンターについて
ボンセンターはドイツ・ボン市、ライン川のほど近くに建てられた複合商業施設です。1968年から建築スタート、1969年に完成しました。まだ西ドイツの首都だったころですね。ドイツ再統一が1990年。そして2017年現在まで約50年近くボンの街を見守ってきた建物です。地元紙「General-Anzeiger」にも「Das Bonn-Center ist Geschichte(ボンセンターが歴史になる)」と題した記事が掲載されました。今回のボンセンター解体はボン市民にとって、一つの時代の終わりを感じさせるものだったのかもしれません。
地上18階建て60メートル。現在のボンでは5番目の高い建物だったそうです。ボンは西ドイツの首都でしたが、意外と小さな街なのであんまり高い建物ないんですよ。
当日の様子
バスも電車も混み混み!
爆破解体は2017年3月19日(日)。前日からの雨で決行が危ぶまれましたが、当日は小雨になり、無事解体が行われることになりました。
わたしたちはバスと電車で向かったのですが、中央駅に近づくにつれ、どんどん人が増えていき、ボンセンターがよく見える橋の近くまで行くトラムは満員! もうそれ以上は乗り込めず、駅で待っていたわたしたちを含む30人ほどの人は「次のトラムに乗るように」と運転手に促され、乗ることができませんでした。祭りの日でもこんなに混まないのに! しかし次を待ってもおそらくいっぱいだろうということで、地下鉄で近くまで向かうことにしました。
楽しみにしている人が大集結!
案の定、地下鉄もいっぱいでしたが、車両が多いのでなんとか乗り込むことができました。最寄り駅からは数分の距離です。地上に出てみるとものすごい人だかり! こんなに人が見に来るものなのか……とちょっと驚きました。
わたしはたまたまツイッターで情報を知り、「日本では見れないから見てみたい!」と来たのですが、ドイツ人にとってはそれほど興味をそそられないイベントなんじゃないかと思ってたんですよね。そうかぁ。まあたしかに建築好きのドイツ人が好きそうなイベントかもしれない。
定刻に爆破開始!
当日の朝、小雨が降っていたので少し時間がズレるかもと思っていたら、カウントダウンを知らせるサイレンの後、定刻に爆破解体が行われました。
動画がこちら。サーバ直だと遅かったのでツイッター経由です。音がすごいのでご注意を。最後にみんな拍手してます。
ドイツ・ボンセンターの爆破解体に行ってきました。想像以上に一瞬だったけど、轟音や地響きを体験できて楽しかった✨ 最後にみんなで拍手👏 pic.twitter.com/e16xDpUxQH
— タロウ@ドイツ (@be_backdrop) 2017年3月19日
ビルがすべて崩れ落ちた後、すごい量の砂煙が流れてきました。こちらは無音。
解体後、すごい砂埃だったので、そりゃ日本で爆破解体はできないなと思った pic.twitter.com/4uyL75Hesi
— タロウ@ドイツ (@be_backdrop) 2017年3月19日
日本だったら洗濯物干してるからダメだろうなぁ。こりゃたしかに日本ではムリだなと思いました。
テレビでも放送されました。動画も見れます。
あっさり解散
解体後はあっさり解散。「一つの時代の終わりを……」とかいう雰囲気は皆無で、「いや~すごかった!」と清々しい感じでみな帰っていきました。ま、そんなもんですな。
ドイツの爆破解体について
ドイツでも爆破解体は多いわけではないようです。Wikipedia情報で申し訳ないのですが、代表的なところでこんな感じ。
- 1950: Berliner Stadtschloss
- 1968: Universitätskirche in Leipzig
- 1968: Garnisonkirche in Potsdam
- 1998: OMEGA Sendemast Trelew
- 1999: OMEGA Sendemast Chabrier (höchstes je gesprengtes Objekt)
- 2001: Buddha-Statuen von Bamiyan
- 2008: Althoff-Turm des Karstadt-Gebäudes in Essen
- 2008: Kühltürme G+H des Kraftwerks Scholven in Gelsenkirchen
- 2009: Kamin („Langer Heinrich“) der Zuckerfabrik Regensburg
- 2010: Hochhaus „Weißer Riese“ in Kamp-Lintfort
- 2011: Turmhotel in Solingen
- 2012: Reste des Löhrhof-Centers in Recklinghausen
- 2013: Sinntalbrücke bei Bad Brückenau (etwa 770 Meter lange Autobahnbrücke an der BAB A7)
- 2014: AfE-Turm der Universität Frankfurt am Main
- 2014: Kohleturm der ehem. Kokerei Kaiserstuhl in Dortmund
- 2015: DEW-Gasometer Dortmund
- 2017: Bonn-Center
こちらも有名なんだそうです。フランクフルト・旧ヘニンガー醸造所の爆破解体連続写真。
Sprengung eines Schornsteins der alten Henningerbrauerei in Frankfurt (Main) am 2. Dezember 2006
Von Heptagon – Eigenes Werk, CC BY-SA 3.0, Link
日本の爆破解体について
日本は火薬取り扱いの法規制が厳しいこと、耐震強度の高い建物で爆薬での解体が難しいことなどが原因で基本的に爆破解体は行われないんだそうです。なるほど。大きなビルだと「木の岡レイクサイドビル」が1990年に解体されたのが最後なのだとか。住宅がさらに密集してきたいまではもう難しいでしょうね。
爆破解体の失敗について
今回、ボンセンターの解体は250キログラムの火薬を1500の穴に埋めて行ったそうです。爆破解体って失敗しないのかなぁと思ったら、やっぱりこんな動画がありました。そりゃそうだ。
「爆破解体失敗集」
爆破解体は成功しても失敗してもなかなか儚い。今回貴重な経験ができてとても楽しかったです^^